続・ご近所ジョジョ物語
ポルナレフ&デーボ編・第4話「手紙」

                       


突然、携帯が鳴った。
すぐさまそれを手に取る!
着信音と共に、液晶画面の中でたれぱんだが一生懸命転がっている…
ぐ、と、気の抜けるのを押さえて、受信した。


  デーボ:……えーと
ポルナレフ:なんも考えないで出るなよ
 
電話の向こうで、ゆっくりと声が聞こえる。


    鈴:「もしもーし」
  デーボ:す、鈴さん!?
    鈴:「ア、デーボ様…え〜と。あ、はい」
  デーボ:大丈夫なのか?!J・ガイルのやろう、そこにいるのか
    鈴:「はい〜今、代わりますです」
ポルナレフ:なんか緊迫感がない…
  デーボ:だから鈴さんなんだろう…
ポルナレフ:納得、俺の意見もそうだ。
J・ガイル:「勝手に納得してられちゃぁ困りますねぇ」
  


まさにJ・ガイル!この声だ。
含み笑いをかみ殺したような声をしている。
それがいらいらさせる。


  デーボ:人質のつもりか
J・ガイル:「そのようで」
  デーボ:何が望みだ…
J・ガイル:「わかってらっしゃるんでしょう…あなたも意地の悪い人だネェ」
  デーボ:俺に呪われたいか。そんなに
J・ガイル:「おっと。怖い怖い。この女、人質に取った意味はなかったですかね
      では邪魔なものはさっさと掃除しますか…。」
  デーボ:!待て!
J・ガイル:「旦那。うたかたの宿で…お待ちしてますよ…」


そう言っただけで、電話は切れた。
チ、と舌打ちをすると、その顔をポルナレフが覗きこんだ。


ポルナレフ:説明しろ、なんだかわからネェ
  デーボ:…まぁ…アレだ…とにかく、来い、と。
ポルナレフ:はぁ!?そんなん直接会いに来ればイイじゃねぇか、なぁ!?
  デーボ:身動きを取らせない為の、一番の手段を考えたんだろう
ポルナレフ:どう言うことだ?
  デーボ:うたかたの宿に来い。そう言っていた。
ポルナレフ:うたかたの宿ってのは
  デーボ:J・ガイルの、実家さ…あの、マザコンが…
ポルナレフ:マザコン!?
  デーボ:行くしか…ないか
ポルナレフ:あたぼうよ!


ヤバすぎる。と言おうとして、口をつぐんだ。
言ったところでポルナレフの気合をそぐことは出来ないだろう。
行くしか、ない。
噛みつくつもりだった奴隷の牙が、剥けなくなるのをうすうす感じていた。


バタン、と表で音がした。
車の扉を閉める音だった。


ポルナレフ:この家の前じゃねぇか?
 

ポルナレフにそう言われて、窓から覗き見る。
たしかに。黒のウインダムがでかでかと止まっている。
続いてチャイムの音。


ポルナレフ:タイミングの悪いやつだな…
  デーボ:一体…誰だ…?


ため息をつきながら、玄関の扉をあける。
その向こうには…


 ポルナレフ:ああああああああああ!?
   デーボ:な、なんだ
ラバーソール:なんでポルナレフ!?


鮮やかなコートに身を包んだ男、ラバーソールがそこに立っていた。
ポルナレフとお互いに口をぽかんとあけている。


   デーボ:お前ら、知り合いか
ラバーソール:っていうか、幼馴染だ…全く、なんて偶然だよ
 ポルナレフ:てめーデーボの知りあいだったのか?!
ラバーソール:まあな。って、なんかあったのか、二人そろって出てくるなんて…
   デーボ:……いや…
 ポルナレフ:音羽さんがさらわれたんだ
ラバーソール:は!?マジかよ、鈴ちゃん、いネェの!?
   デーボ:……
ラバーソール:またなんかに巻き込まれたか。
   デーボ:俺の責任だ
ラバーソール:相変わらずそういうこと言ってんだな。
   デーボ:…お前はなんの用だ
ラバーソール:いや、J・ガイル捜してたんだけど…
       いねぇから、お前ならなんか知ってるかなと思って
ポル&デーボ:何イイイイイ!?J・ガイルだぁ?!


あまりの剣幕に、1歩下がるラバーソール。
ポルナレフは牙までむいている。


ラバーソール:な、なな、なんだよ!?
 ポルナレフ:そのJ・ガイルが!
   デーボ:鈴さんを…!!!!!
ラバーソール:!?マジェェ!?なんでなんで?!ちょっとどういうことだよ
 ポルナレフ:なんでJ・ガイル捜してんだよ?
ラバーソール:なんか突然よ、俺のトコに手紙が来て…ほら、これ
 


覗きこむと、意外な達筆でJ・ガイルの署名がある。
内容は、こうだった。

頼む、DIOを、ホルホースから守ってくれ。

ただ一文、それだけだった。

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