続・ご近所ジョジョ物語
デーボ編・第1話「バイト」

                       

仕事が終わり、家に帰るともう10時を回っている。
いつもそんな生活が続いていた。
しかも、朝は早い。
酷な仕事を選んだなと自分でも思う。


デーボ:帰ったぞ


そう言って玄関に上がると、ドタバタと鈴が出迎えてくれた。


  鈴:お帰りなさいですー!
デーボ:おいおい、先に寝てていいって言ったじゃ・・
  鈴:それじゃァ朝しか会えないじゃないですか!
デーボ:うう〜とにかく休んでイイってば。
  鈴:ゴハン出来てますぅ


しぶしぶ引っ張られて居間へ行く。


デーボ:あんたも奇特な人だよな・・
  鈴:鈴は奇特ですか?なんか嬉しいですー
デーボ:おいおい、奇特っていわれて喜ぶやつがあるか
  鈴:デーボ様に言ってもらえるならなんでも嬉しいです!


困って横を向いてしまう。
しきりに三つ編みを弄くっている。
それを見て笑う鈴。


  鈴:でもご迷惑だったら、いつでも出ていきます・・言ってくださいね
デーボ:そ、そんなことはないんだ、別に邪魔だなんて・・・・
  鈴:えへへ、押しかけ女房〜
デーボ:親が許すってのも前代未聞だと思うぞ
  鈴:でもでも、花嫁修行にいってきまーすって言ったら、行ってらっしゃーいって。
デーボ:それは理解してるのか?!大丈夫か、電話とかしなくって?!
  鈴:大丈夫ですよ―。ちゃんとデーボ様のことも話したし、ほらほら!携帯も持ったんですよ―
デーボ:今まで持ってなかったってのも結構化石だな・・。
  鈴:ほらほらたれぱんだー


そう言って誇らしげに見せる携帯の画面はカラーで液晶、たれぱんだが舞っている。
思わず噴出すデーボ。
それを見て嬉しそうに笑う鈴。


  鈴:ご飯食べましょ―!ごはんごはん!
デーボ:悪いな、いつも作ってもらってばかりで・・。
  鈴:修行ですー!今日はカレーでーす。
デーボ:こないだもカレーだったなぁ・・
  鈴:え?!そうでしたっけ・・???!ごめんなさい、鈴カレー好きなんでつい作っちゃうんですー
デーボ:イイ。俺も好きだ。


好きだという言葉にちょっと反応してしまう自分が可笑しい。
居間のテーブルで、カレーを食べ始める。


デーボ:仕事はどうだ?今決算時期だろ?
  鈴:ん〜、お客さんは結構来ます!あ、これ辛かったですね
デーボ:そうか?気にならないが・・。
  鈴:うわア!なんか入ってると思ったらルゥの固まりだー


肉の塊のようなものをすくって、デーボに見せる鈴。
思わず笑う。


デーボ:それが辛かったんじゃないのか?
  鈴:ちぇー全部溶けたと思ったのになぁ
デーボ:でも美味いぞ?
  鈴:有り難うございます!
デーボ:仕事と、家庭と、両方やるとつかれるだろう?無理をするなよ。
  鈴:うふふ、はい、ありがとうです。そうそう、バイトさんが来たんですよ―
デーボ:え?ああ、仕事場にか?
  鈴:はい!大学生さんで、夕方から入ってくれてるんです。
デーボ:そういや担当場所が変ったんだっけか。
  鈴:新しい担当は、ヤング洋品です!
    だからコーディネートとか結構やってもらってるんですよ。
デーボ:若いやつのことは若いやつのほうが分かってるからな。
  鈴:鈴はそういうの苦手ですから、すごく助かってます〜


そんな話をしながらカレーを食べる。


  鈴:で、そのバイトさんが結構いい人で―
デーボ:男か?
  鈴:あ、はい。
デーボ:・・そっか。
  鈴:妬いてるんですか〜??
デーボ:・・ちょっと、な。
  鈴:大丈夫ですよ―そんな人じゃないですから!
デーボ:そうかな・・まあ・・・気にはなるが・・。
  鈴:大丈夫です!鈴はデーボ様一筋ですから!
デーボ:・・・・・・
  鈴:デーボさまぁ、三つ編みぐちゃぐちゃですよ―

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