続・ご近所ジョジョ物語
ホルホース編・第2話「情報」

                       

 居所がわかるわけも無いと思いつつも、J・ガイルの飲み屋へ足を運んでしまう。


ホルホース:そのスタンド、能力は…?
 ボインゴ:よ、予知です、はい。
ホルホース:予知?!予知って、予言か?
 ボインゴ:はい
ホルホース:んじゃ俺達がこれからどうなるかも分かるって…言うことか?
 ボインゴ:知りたければ、分かります…
ホルホース:…
 ボインゴ:100ぱーせんとです。はずれたことなんかありません。
ホルホース:そうか。役に立つといいな。
 ボインゴ:予知しないんですか?
ホルホース:自分自身以外の力で何か起きるなんて思ったら、
      もう俺はこれから先歩いていけねぇよ
 ボインゴ:……
ホルホース:いいじゃねぇか、役に立つときは頼むぜ、あ・い・ぼ・う!
 ボインゴ:は、はい。


そうこうするうちに、飲み屋へたどり着く。
覗き込むと…いるいる。
暗闇に溶けこんで、静かに座っているが、
J・ガイル本人だ。
様子がおかしい様だったが、かまいはしない。こっちの都合だ。


ホルホース:よぉ!J・ガイル!


そう言って店にはいると、J・ガイルが飛び上がった。



J・ガイル:ホルホースの旦那ッ!?お、驚かさないでくださいよ!
ホルホース:まぁたぁ。なんかヤバイことでもやってんのかァ?
      じゃなきゃそんな妙な反応はしねぇよな?
J・ガイル:すいませんねぇ、俺は頂く物を頂かないと
      何〜にも答えないと決めているんですよ。
ホルホース:へぇへぇ。商売熱心なこって。
J・ガイル:今取り込み中なんですがね、店も閉めちまおうと思ってるんでさァ
ホルホース:なんだもう閉店か?
J・ガイル:当分の間休もうかと思いましてね。ヘッヘッヘ…
ホルホース:何をたくらんでいるかは知らんが、会えたのはラッキーだったか。
J・ガイル:そっちの小さいのはあんたの子供かい
ホルホース:ハァ?!冗談じゃねぇ、俺は証拠が残るようなコトはしねぇよ
 ボインゴ:証拠?
ホルホース:いやいや、大人の話。
 ボインゴ:僕が子供だと言うんですかぁ
ホルホース:子供じゃん
J・ガイル:で、なんの用ですか。こっちも忙しいんでね
ホルホース:そうそう…


ホルホース、ポケットから写真を出す。
もちろんボインゴから預かったものだ。


ホルホース:この男を知ってるか?探してるんだ。
 ボインゴ:探してますです、ハイ。


J・ガイル、それを覗き込み、顔をしかめる。


ホルホース:やっぱしらねぇか…


J・ガイル何も言わずにその写真を手に取り、じっと見ている。
その様子に気付いて、期待を寄せるホルホース。


J・ガイル:この男は…
ホルホース:この男は?!
J・ガイル:この男は…
 ボインゴ:知ってるんですか!?
J・ガイル:見たことねぇ


伊東四郎のようにずっこけるホルホース。
同じくなかなか素人では出来ない気の抜けた顔をするボインゴ。


ホルホース:なんだよ、気もたせんなよぉ
J・ガイル:が、
ホルホース:あ?
J・ガイル:だが。
ホルホース:だが…?
J・ガイル:この帽子は見たことがある。こいつのかぶっている、この赤い帽子だ。
 ボインゴ:その帽子は兄ちゃんが自分で作ったもんだ!
      兄ちゃんしかかぶってないよ!!
ホルホース:それだ!どこで見た?
J・ガイル:旦那〜
ホルホース:あいよぉ


J・ガイルの手招きに答えて、小さく折りたたんだ札を一枚出す。


J・ガイル:一枚ですか〜…
ホルホース:別にでかいネタでもないだろ?
J・ガイル:どうですかねぇ
ホルホース:なんだと、そんなヤバイとこでみたのか?
 ボインゴ:兄ちゃんがヤバイところに?!うお〜〜〜〜ん!


ふいに泣き出すボインゴ。慌てて、オレンジジュースを持たせるJ・ガイル。
ピタリと無きやむボインゴ。


ホルホース:教えないならこれは無いぜ。
J・ガイル:もう一枚くらい欲しいですね〜
ホルホース:どうしてだよ、ただの素人関係の情報じゃん?
J・ガイル:素人の情報だろうと、玄人だろうと、情報は情報でね
ホルホース:足もと見やがって…ほれ、もう一枚。
J・ガイル:ありがてぇ。ちょっと今入りようでね、助かりまさァ
ホルホース:お前のことはどうでもイイんだよ、で?どこでみたんだよ?


大事そうにポケットに札をしまうJ・ガイル。
カウンターに手をついて急かす。

J・ガイル:こないだケンカがありましてね。
ホルホース:ケンカ?
J・ガイル:救急車まで呼ばれたんですよねぇ
ホルホース:…で?
J・ガイル:その現場に落ちてたのがその帽子でさァ
 ボインゴ:うおおおおおお〜〜〜〜ん!にいちゃぁ〜ん
ホルホース:なんだって!?じゃあ今病院か…いや、音沙汰が無いってことは…
 ボインゴ:うおおおおおおおおおおおおおおおおん!!
ホルホース:うわ、わりィわりィ、泣くな泣くな!ただ可能性の話で…
 ボインゴ:可能性?!うおおお〜〜〜〜ん
J・ガイル:後…
 ボインゴ:うおお〜ん!!!
ホルホース:ああ!もう!とにかく病院を当たろう、な!
      死んだと決まったわけじゃないだろ?!
 ボインゴ:ぐす…ハイ…死んでなんかいない…兄ちゃんは死んでない!ですよね…
ホルホース:そうそう、探してから、またそれで結果がはっきりしてから泣け、な?
 ボインゴ:泣くような結果なんですね?!うおお〜ん
ホルホース:うわぁ、言い方が悪かったァ!悪い、J・ガイル。恩にきる!またな!


足早にボインゴを連れて出ていくホルホース。
扉を閉めても、うおおおおんという声が聞こえる。
溜息をつきながらポツリともらしたJ・ガイルの言葉はから回りする。



J・ガイル:現場の傍に突っ立ってたのがDIOって名の男でさァ…


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