続・ご近所ジョジョ物語
決断編・1・「問答」

                       

きょとんとしている二人に向かってため息をつく。


J・ガイル:俺の蒔いた種ですがね、
      チョット聞いて下さいって言ってるじゃないですか〜
ポルナレフ:いいいいい、生きて!?
J・ガイル:ますよ。ただ、今傷をふさいだ所なんで、動ける状態じゃないんです
    鈴:よ、よかっ…。うえ〜
ポルナレフ:ああ、音羽さん泣かないでっ
J・ガイル:意思の疎通がやっと出来た…(ため息)
ポルナレフ:意識はあるのか。デーボは。
J・ガイル:……会いますか?
ポルナレフ:殴ってやりてぇ
J・ガイル:今殴ったら殺人罪になりますよ
ポルナレフ:そ、そんな怪我なのか
J・ガイル:心臓に傷が近いんですよ…
ポルナレフ:そ、それって死、死にそうなんじゃ
    鈴:うえ〜
ポルナレフ:ああ、ご、ごめんなさい、俺また余計なことを
  ???:まったくだ


ガタン。扉の開く音がして、一斉にそっちを見る一同。
包帯でぐるぐる巻きのデーボがそこによりかかるようにして立っている。


  デーボ:人を勝手に殺すな…。
ポルナレフ:うわぁ!
    鈴:デーボ様!
  デーボ:チョット覗き見に来て見たら、勝手な事ばかり言いやがって
J・ガイル:すいませんでした。俺が、俺があんな…。
ポルナレフ:そうだ、テメェが鈴さんさらうから…!
  デーボ:いい、ポルナレフ、よせ。
ポルナレフ:でもよぉ!?
  デーボ:俺が護りきれなかったんだ。俺の責任だ。
    鈴:やめて下さい。
  デーボ:鈴さん?
    鈴:鈴を護るのやめて下さい!
ポルナレフ:音羽さん、またそんなこと言って…!
    鈴:鈴護ろうとすると、デーボ様傷つきます!
      鈴は自分が恥ずかしいです、鈴弱いです!
      鈴は何も出来ません、邪魔になりたくありません!
  デーボ:…っ…
ポルナレフ:デーボ、てめェがワリイんだ、
      ちゃんと生きてねぇから、音羽さんがこんな心配して!
  デーボ:鈴さん。
    鈴:……はい
  デーボ:俺だって弱い。多分J・ガイルも、ポルナレフも。
    鈴:え?


ずるずると、柱にもたれたまま、そこに座り込むデーボ。
慌てて鈴が駆け寄る。
   

    鈴:大丈夫ですか?!
  デーボ:あの時と一緒だな
    鈴:……
  デーボ:鈴さん。スタンド使いはみんな…
J・ガイル:それは言っちゃいけませんや、旦那…
  デーボ:そうだな…
    鈴:鈴もスタンド使いだったら、こんなにデーボ様を困らせることなんて…
  デーボ:鈴さんも多分持ってるさ。
    鈴:え?
  デーボ:あんたはそれをすでに必要としない、俺も、もういらない。
    鈴:え?え????
J・ガイル:まさか、デーボの旦那…。
  デーボ:いいじゃねぇか、これは俺自身のモンだしな
J・ガイル:スタンドを…
ポルナレフ:ど、どういうこと?
J・ガイル:スタンド使いをやめるんですか?!
    鈴:そ、そんな!?
 

素っ頓狂な声を上げる鈴。
さすがに驚いてデーボがのけぞる。


 デーボ:ま、まずいですか?
   鈴:え、エボニーちゃんがいなくなるんですか
 デーボ:アレは俺自身ですから…
   鈴:え?で、デーボ様もいなくなるんですか?!
 デーボ:いや、俺は、やっと一人になります。だからやっと…
   鈴:デーボ様…
 デーボ:は、はい?
   鈴:鈴はここにいてもいいのでしょうか…。
 デーボ:あ、う…えーっと…。じ、実は…
   鈴:は、はい?
 デーボ:あの、一つ、お願いが、あ、
   鈴:ど、どうしたんですか、どっか痛いんですか?!
 デーボ:あの、お、え〜… う。


3メートルほど離れた所で、J・ガイルとポルナレフが息を呑む。


ポルナレフ:お、男泣きしそうだ俺…
J・ガイル:だ、黙って、聞こえないじゃないですか
ポルナレフ:チョット隠れよう…
J・ガイル:俺も…見てらんねぇや…


それを尻目に、問答のような会話が続く。


  デーボ:ほ…北海道ってお嫌いですか
    鈴:好きです…よ?…え?
  デーボ:ジャガイモが美味いんですよ…いや、ちがくて
    鈴:デーボ様…
  デーボ:ひ、飛行機苦手なら、船もありますし、だから
    鈴:はい…
  デーボ:俺と、けっ…
ポルナレフ:今ここで俺の目の前でそれを言うかー!!
  デーボ:うわ!なんでお前等がいるんだ!
J・ガイル:さっきからいたじゃないですか…泣きますよ〜?
  デーボ:そ、そうか、あ、いや、ははは
J・ガイル:照れてますね旦那。
    鈴:照れてますね、旦那〜(ひじで突っつく)
  デーボ:鈴さんまで…うう〜
    鈴:鈴は、ここにいていいんですね!


ギュム。
デーボの首に手を回して鈴が抱きつく。
凍りつくポルナレフ。
肩を叩くJ・ガイル。
あたふたするデーボ。
なんだか、またいつもどおりだったりすることが可笑しかった。




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