ご近所ジョジョ物語
第1話・依頼
                       

雑居ビルの一室。こぎれいな事務所のソファーで、
帽子を目深にかぶった男が一人、煙草をくゆらせている。


ホルホース:んっん〜♪しっごっとっがない〜♪いやだね〜?不景気ってのは。
      この敏腕探偵ホルホース様でさえ日干しになっちまいそうだぜ。
      まあ、俺には愛する女たちがいるからな。
      ホルホース様のためならなんだって〜★ン〜、カワイイ奴よのう。
      いやですわホルホース様ったらァ★
      おまえの美しさが俺のDNAを揺さぶるのさ〜
      これで女は俺のもの〜♪
      いやマジ、この顔にうまれて良かった・・・。


ちょっと独り言が多い探偵ホルホース。家計は女で賄っているらしい。
鼻歌を歌っていると、黒電話のベルが鳴る。ジリリリリリリ!
飛びつくホルホース。おっといけないすぐに取ったら暇だと思われちまう。
ここは落ち着いて、10コールめで・・・。 

ホルホース:はい、ホルホース探偵事務所(低い声で)
      ・・・・・・・キ・・・切れてる・・・・
      いやはや、ちょっと待ちすぎたか。
      うう・・こんなことで仕事を逃してはもってのほか。
      今度ナンバーディスプレイにしようかな。ってこれ黒電話じゃん!

その独り言に突っ込みをいれるかのように、ベルが再度鳴った!

ホルホース:はははははいいっ!!!
      ホルホース事務所です!
  ???:あの、探偵さん・・・なの?
ホルホース:(しめた女だ!!)はい、斬っても斬れない大人の探偵です。
  ???:??あ、あの〜依頼したいことがあるんですけど〜。
ホルホース:料金のことならご心配なく。お安くしておきますよ、お嬢さん。
  ???:それはあり難いわ!私はミドラー。
ホルホース:私が探偵のホルホースです。ミドラーさんですね?
      では、打ち合わせの為にこちらまでおいで頂けますか?
 ミドラー:いいわよ。今行ってもいい?
ホルホース:もちろんですお嬢さん。
 ミドラー:じゃあ、すぐいくわ。

瞬きをするくらいの一瞬。
扉が開いて・・・??
ショートパンツにロングコート、
髪の毛をポニーテールにした女性が入ってくる。

 ミドラー:こんにちわ〜
ホルホース:ほぎゃ!?
 ミドラー:すごい声ね。
ホルホース:あ、コホン、いえいえ少し驚いただけですよ。
 ミドラー:まさかすぐそこに居たとは思わなかったでしょう?
ホルホース:これはしてやられたね・・。さあ、お掛けください。
 ミドラー:有難う。
ホルホース:では、早速ご依頼の内容を・。
 ミドラー:手伝って欲しいのよ。
ホルホース:・・・・引越しとかではないでしょうね・・・。
 ミドラー:あっはっは、それもいいかもね?
ホルホース:違うんですね、良かった・・・。
 ミドラー:これから言うことと、私の個人情報は・・・。
ホルホース:もちろん秘密厳守ですよ。ご安心を。
 ミドラー:私は、実は婦人警官なの。
ホルホース:へ?い・・いや、私はなにもしてないですよ?!
 ミドラー:捕まえに来たんじゃないわよ。
      なんか、あんたに頼んで平気なのかな・・
ホルホース:な〜にをおっしゃいますか。この俺・・・私にお任せあれ。
 ミドラー:わかったわ。
      それで、依頼というのはね、最近このあたりに横行している
      連続暴行魔のことなの。
ホルホース:ああ、相手を子供に変えて、いたずらしていくという。
 ミドラー:いたずらっていうと怪しいわよ。
ホルホース:暴行。
 ミドラー:暴行。
ホルホース:それを・・?
 ミドラー:捕まえたいの_なんとしても!
ホルホース:OK!ご立派です!その心意気。
      このホルホース、お手伝いいたしましょう。
 ミドラー:え?あんた一人じゃ・・
ホルホース:捕らえる瞬間にミドラーさんがいらっしゃらないと、
      あなたのお手柄にはなりませんよ?
      人の居ない場所で捕まえられるとは限りませんし。
 ミドラー:そういえばそうね・・・。
ホルホース:では。決まりということで。
 ミドラー:そうすると、動ける期間が決まってくるわ。
ホルホース:そうでしょうな。ミドラーさんがお仕事をやってらっしゃる間は、
      私が同行することは出来ませんし。
 ミドラー:一週間の休暇を取ってあるの。
ホルホース:その間に捕らえたい。と。
 ミドラー:そういうことなのよ。
ホルホース:OKOK!面白くなってきた!引き受けましょう!
 ミドラー:じゃあ、早速今日から頼んでも?
ホルホース:アイアイサー!
      それでは、ご一緒しましょうか、お嬢さん・・・。

              
      ホルホース、ミドラー、立ちあがり、コートを羽織る。
      遠くに聞こえる雑踏が近くなり、途切れる・・・。
     

  
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