ご近所ジョジョ物語
第7話・始まり
デーボ:・・・・・・? 鈴:デーボ様・・。 デーボ:帰れ。 鈴:・・・・え・・ デーボ:いいから帰れ。 デーボが鈴を睨みつける。 突然の変貌に戸惑う鈴。 鈴:デーボ様・・・・・すみませんでした・・ デーボ:ここからいなくなってくれ・・・出来るだけ遠く。 鈴:・・・・なにか・・あったんですか デーボ:帰れと行っているのが聞こえないか? うなだれ、ゆっくりと離れていく鈴。 デーボは、それを確かめるとくるりと振り向く。 そして一点を睨みつけている。 一番大きな木の・・・陰・・・・。 デーボ:なんのつもりだ ???:・・・・・・・・ デーボ:・・・なぜそこにいる ミドラー:良く気付いたわね。 その木の影からふらりと現れるミドラー。 ハイプリエステスが肩の上をゆらゆらとゆれている。 デーボ:あんた、さっきの・・・。 ミドラー:こんばんわ。 デーボ:なぜ隠れていた? そう言いつつ、エボニーが立ちあがる。 その片足が地を蹴る態勢になる。 そのまま待機している。 一触即発の状態。 ミドラー:そんなに構えないでよ。別に見てただけよ。 デーボ:アンタ、何モンだ ミドラー:しりたい? そう言ってミドラーが笑った。 デーボは手を出さない。だせない。 そう言うスタンドのもとに生まれている。 傷つけられなければ、戦うことが出来ない。 呪いの力が、傷を重ねていく。 妙だ。何かが。わからない。なんでこんなに変な感じがするんだ・・? と、ミドラーがハイプリエステスをこちらに飛ばしてくる! デーボ:・・・・来る、かッ! エボニーデビルがデーボを守るか と思ったその瞬間。 軽い銃声。2発。 後ろからの銃声。 デーボの足から血が噴出す。 両膝の下を撃ちぬかれ、立っていられなくなる。 デーボ:ホル・・・ホース・・・・ッ?! ホルホース:悪いな、挟み撃ちだ デーボ:・・・・ッ・・・俺とやろうってのか ホルホース:それ以外どう見える? デーボ:殺してやるッ!!! エボニー人形が飛びあがった。 その後ろから声が。 エボニーの力をかき消す声が。 鈴:デーボ様っ!!! デーボ:?! 振り向くと、遠くに鈴の姿。 デーボ:・・・・帰れといったはずだ! 鈴:でも・・足が・・・・・!! そう言って駆け寄ろうとする。 その目の前にハイプリエステスがあらわれる。 何かに押されて、身動きが取れない鈴。 鈴:いやです!鈴は嫌です!! ミドラー:・・・・・っ!!! ミドラーが鈴を見る。 睨みつける様に。まるでそれが憎いかのように。 ホルホース:どうするね。ミドラー? ミドラー:いいからヤって。 ホルホース:アイアイサー・・・・・・。 動きが止まったデーボにさっと近づき、 頭にエンペラーを押し当てる。 デーボ:・・・・・チッ・・。 ホルホース:悪いな。デーボ・・・。 デーボ:依頼、か。 ホルホース:ああ。あのお嬢さんのご希望だ。 デーボ:俺は、お前を殺してもいいと言うことだな? ホルホース:できるかい?そのお人形と、銃弾と。どっちが速い? デーボ:しるか。どうなろうがお前を殺す ホルホース:へぇ・・ デーボ:ひとつ約束しろ ホルホース:女には手を出すな、か? デーボ:・・・・・・ 叫び声が、一生懸命にデーボの名を呼ぶ。 聞こえないフリをする。 聞いたら、息が乱れてしまう。 ミドラー:殺さないでね・・・・ ホルホース:あいよ ホルホースが、唇をかみ締める。駄目か。 まだか。このまま終わるのか・・・・・・。 そのとき、ひときわ大きな声がした。 鈴:鈴は貴方を愛しています、デーボ様・・・・っ!!! ミドラー:・・・・・・・!!!! ミドラーが、キッと鈴を睨む。 鈴はひるまない。 鈴:どうしてデーボ様を・・・ ミドラー:あんたが傷つくわけじゃないでしょ! 鈴:私も痛いです! ミドラー:痛くないわよ! 鈴:私も苦しいです!! ミドラー:どうしてよ! 鈴:好きだからです! ミドラー:どうしてそんなこと言うのヨォーーーーーーーーーッ!! 座り込んで泣き始めてしまうミドラー。 ホルホースが、デーボの頭からエンペラーをはずす。 ホルホース:やっとか・・。 デーボ:そう言うことか・・・策士め ホルホース:悪いな・・・ デーボ:本気で殺そうとしただろう ホルホース:・・・・・ デーボ:俺は多分アンタを殺す。 ホルホ−ス:待ってるよ・・。 デーボ:殺されたいなら始めからそう言え ホルホース:死にたかないさ。 殺してみたかっただけさ。 と言う言葉を飲みこんで。 ミドラーの様子をうかがう。 そのとき、ゆっくりとデーボが言った。 デーボ:殺・・して・や・る・・・・。 泣きじゃくるミドラーを尻目に、 ホルホースにそういってかすかに笑いかける。 鈴が、見ている。 こちらに来ようとしている。 足音が聞こえる。 見ない。見たら出来ない。 デーボ:お前らに俺の世界を見せてやる ホルホース:あんたも冗談がつきねぇな。 デーボ:冗談に聞こえたか ホルホース:・・・・な・・に? デーボ:こ・・・ろ・す・・。 ホルホースが動かなくなる。 エボニーのナイフが背中に埋まっている。 一瞬。 ホルホースが、硬直したままデーボを見る。 目だけで。 甲高い叫び声が聞こえたような気がした。 <NEXT> |