ご近所ジョジョ物語
集結編・第2幕・「開始」

                       

ダービーが弟のことについて一通りしゃべり終わったそのとき。
店の扉が開いた。
はっとして振り向くホルホース。
こう言う時、つい反応してしまう自分が時々憎らしくもあり、好きでもある。
入ってきたのは金髪の男と、銀髪の男。


 ラバーソール:お。DIO,お前も来てくれたのか・・ありがとな。
    DIO:興味があっただけだ。気にするな。
 ラバーソール:・・・なんかお前感じが違うな〜なんか良いことあったのか?
    DIO:そう見えるなら、そうなんだろうなァ。
ヴァニラアイス:ああ、あの、始めまして、いつもDIO様がお世話になっています!
  

しどろもどろで挨拶をするヴァニラアイス。DIOに頭をはたかれている。
その様子を見て、ホルホースも警戒を解いた。

 
  ホルホース:ここの従業員さん?
    DIO:ああ、俺はDIO。貴様の言う通り従業員ってヤツだ。
ヴァニラアイス:私はヴァニラアイス。DIO様にお仕えする・・
   

そこまで言いかけて、DIOに口をふさがれる。
何やら小さな声で怒られている様だ。


ヴァニラアイス:あの、従兄弟のヴァニラアイスです。
    DIO:そう言うことにしといてくれ。
  ホルホース:はっはっは、問題ないですよ、従兄弟でも兄弟でも、
        お姉さんでもお兄さんでも。
    DIO:お姉さんは問題あるだろう。
   ミドラー:そーよー、こんなごッついお姉さん居たら私だったら逃げるわよ。
ヴァニラアイス:ああ、ごッついですか私〜
    DIO:ナヨナヨしているよりは良いだろうが!
ヴァニラアイス:そ、そうですか?よかった・・。
  アレッシー:あああああああのッ!俺はアレッシー!聞いてッ!
  ホルホース:おいおい、そんなに意気込まなくたって。
  アレッシー:最初が肝心です!俺アレッシー!
 ラバーソール:(笑いながら)そんなんだから客があんまりつかないんだよぉ
  アレッシー:そうなんですかぁ〜!?
  ホルホース:悪いな、俺がこいつ引きぬくぜ?
 ラバーソール:へ?似合いの仕事があるならそっちの方が良いだろうとは思うが・・
  アレッシー:すごくがんばりたいことがあるんです!
ヴァニラアイス:あ、わかります。それ!
        自分をかけても良いって物、世の中に絶対一つ以上はありますよね!
  アレッシー:そうなんですよ〜


近所の奥様の様に盛り上がるアレッシーとヴァニラアイス。
それを見て溜息をつきながら、DIOがホルホースに向き直った。


    DIO:ところで、あんたたちは・・・・・・
  ホルホース:おっと、遅れたな、俺はホルホース、こっちがミドラー。
ヴァニラアイス:始めまして!
 ラバーソール:おいおい、お見合いやってんじゃないんだ、自己紹介は、簡単にしようぜ。
    DIO:ああ、すまない。で、どうしたらいいんだ?
 ラバーソール:ダービーは心労がたたってこのありさまだ、探しに行けるとは思えない。
   ミドラー:これだけ人数が居るんだもの、手分け出来そうね。
  ホルホース:そうだな・・でもちょっと待たないか?
 ラバーソール:どうした?


悠長に煙草を咥え出すホルホース。
ついライターの火を差し出してしまって照れ笑いのラバーソール。


  ホルホース:身体に染み付いちゃってるねぇ〜
 ラバーソール:タバコが出るとついやっちまう・・イイじゃねぇかよ、別にぃ〜
  ホルホース:DIOさんは新顔か。
    DIO:ん?ああ。よくわかったな。
 ラバーソール:まだ染み付いてないんだよ、その方がいいコトもあらァな。
    DIO:?
 ラバーソール:んで、何を待つって?
  ホルホース:そうそう・・・これから俺が簡単に情報収集してくる。
        それからのほうが探しやすいと思うんだが、どうだ?
 ラバーソール:・・・・情報ってのはそう簡単に集まるものなのか?
  ホルホース:俺ならな。
 ラバーソール:言うねぇ・・・OK,任せてもイイかな・・・ダービー?


見ると、ダービー、机に突っ伏して寝てしまっている。


 ラバーソール:寝てる・・・そうか・・安心できるか、この面子が。
    DIO:どうした?
 ラバーソール:いや・・
    DIO:表情が暗いぞ
 ラバーソール:そ・・そんなことねぇよ、別に俺は・・
        あ、イヤ、ほら、とりあえず頼む、情報を先に。
  ホルホース:・・分かりました、行ってきましょう。
   

ホルホースとミドラーが店を出ていく。
残された面々は、ラバーソールからダービー弟の情報をもう一度聞いている。
外に出たホルホースとミドラー。


   ミドラー:いいの?
  ホルホース:ん?なにがだい?
   ミドラー:あのラバーソールって男、信用しちゃって。
  ホルホース:疑う余地があったか?
   ミドラー:だって、なんか表情がコロコロ変って・・。
  ホルホース:・・気がつかなかったか・・。
   ミドラー:え?
  ホルホース:恋してるやつってのは、
        コロコロ表情が変わるもんだよ、
        ましてやその相手が苦しんでいればな。
   ミドラー:え・・え?
  ホルホース:はっはっは、わかんなくっていいよ、
        後でゆっくり教えてやる、今は仕事。な?
   ミドラー:私も行ってイイの?
  ホルホース:願わくば俺と組んでもらいたいね。
   ミドラー:だぁめよ、これでも警官なんだから。
  ホルホース:へいへい、手厳しいこって。
   ミドラー:だから今回だけよ★
  ホルホース:上層部には黙っといてやるぜ。
   ミドラー:あったりまえじゃない!いくわよ、ハイプリエステスッ!
     

車が出現する。さっきとはまた形の違う車だ。
言ってみれば、ポルシェを小さくしたような・・ 
小さな2シーターのスポーツカーだ。


   ミドラー:J・ガイルのとこでいいんでしょ?
  ホルホース:よっくわかってるじゃないか!
   ミドラー:飛ばすわよ、いっけええええええ!


タイヤの軋む音と共に、走り出す車。


行く先には、何があるのか。知らないまま。
予測のつかない自体か、それとも幸運か。


<NEXT>