ご近所ジョジョ物語
集結編・第1幕・「秒読み」

                       


〜DIO〜

その夜。ラバーソールから電話があった。
なにやらあせった風で、一生懸命にダービーのことを話している。
要約するとこうだった。

ダニエル・ダービーには弟がいて、名はテレンス・T・ダービー。
その弟がもう1年近くも音信不通。
生きているのかさえも分からない状況だった。
ところがオレが仕事に入った翌日、なんとその弟から手紙が届いていたと言うのだ。
諦めていたダービーが、もういても立ってもいられなくなり、
「弟を探す!」と気合いたっぷりらしい。


ヴァニラアイス:はあ〜なんとも・・・
    DIO:弟からの手紙には、元気だから心配するな、と。書いてあったそうだ。
ヴァニラアイス:気になりますね。
    DIO:俺は夜の繁華街を探す。お前はここに居ろ。
ヴァニラアイス:え?DIO様も探されるんですか?!
    DIO:悪いか?
ヴァニラアイス:い・・いいえ・・。
    DIO:面白そうだしな、それに・・・
ヴァニラアイス:それに・・?
    DIO:仮にも世話になっている。
ヴァニラアイス:私もご一緒します!
    DIO:・・・・分かった・・アイス、お前に任せる。
ヴァニラアイス:ええ〜?!っちょっちょっと、DIO様ぁ〜
    DIO:嘘だ。
ヴァニラアイス:冗談言ってる場合じゃないですよ〜
    DIO:さて、早速行くか。まずダービーの店に行くぞ。
        ラバーとダービーがそこに居るらしいからな。
ヴァニラアイス:?
    DIO:まずダービーの弟の顔を知らねば探し様がないだろぅ?
ヴァニラアイス:あ、そうか。
    DIO:阿呆。行くぞ。
ヴァニラアイス:はいっ!



〜デーボ〜

身体の調子がすこぶるいい。
鈴も笑っていてくれているし、気分も良い。
だが、これから行かなければならないところがあった。
J・ガイル。
あいつは、俺が殺し屋を辞めるといったら、どうするだろう。
鈴をダシにするだろうか。
それはあってはならない、が、ありうるから恐ろしい。
そうなる前に、決着をつけなければ。



〜ホルホース〜

アレッシーに連れられて入ったそのホストクラブは、
照明もほとんどついていず、(と言っても休みなのだから当たり前だが)なんだか
さびれた雰囲気がした。
奥の方に小さな灯りがついている。
そこで、頭を抱えている男と、そばで肩肘をついて心配そうに見守る男がいた。


  アレッシー:遅れまして・・
   ????:お、来たかアレッシー・・・ん?そちらさんは?
  ホルホース:探偵事務所をやっていますホルホースです。
   ????:・・探偵か・・それも良いかもな・・。
        俺はラバーソール。ここの従業員だ。
        こっちの疲れちゃってんのがダービー。実質経営者なんだが・・・・・。
  ホルホース:お役に立てれば幸いなんですが・・。
 ラバーソール:どうする?ダービー?探偵さん来てるけど、頼む?
   ダービー:見つかれば、それでいいんです、せめて居所だけでもぉぉおおお。
 ラバーソール:あああああ、落ちついてよダービー、そんなんじゃまた眠れないじゃん・・。
  ホルホース:では、請け負ってもOKですか?
 ラバーソール:前金とかって、いらないのか?
  ホルホース:貧乏なんですごくほしいです。
 ラバーソール:あっははははは、正直でイイや、気に入ったよ。
        これくらいで足りるかな・・今これしか持ち合わせないんだけど・・。


そういって渡された札束を見ると、すべてが万・・・・・・・!!!


  ホルホース:ここここ、こんなにいりませんよ!
 ラバーソール:いいから・・・見つけてきてくれ・・こいつのためにも・・


そう言って寂しげにうつむく。
ホルホースが覗きこもうとするのをミドラーが制する。


  ホルホース:んじゃ、出来るだけ当たってみます。
        それに当たって、弟さんの情報を聞かせてもらえませんか?
 


ダービーがやっとのことで体を起こす。


   ダービー:これが、弟の写真です。名前は・・テレンス・T・ダービー。
  ホルホース:にてるな・・これなら、見つけやすいかもな。
   ダービー:そう願っています・・。
  ホルホース:居なくなる前はなにをやっていましたか?
   ダービー:足利大で、研究生を・・しかし今はそこにも居ないようです。
  ホルホース:今どの辺にすんでいるかなんてコトは・・
   ダービー:来た手紙には、消印がありませんでした。
  ホルホース:自分で投函したか・・。まめなタイプ?
   ダービー:はい、すごく。
  ホルホース:弟さん、免許は?
   ダービー:持っていません。
  ホルホース:最後に一つ。女性関係は?
   ダービー:生真面目で、あまりそういった話はしませんでしたが・・
        いたか、いないかまでは・・。
  ホルホース:分かった、サンキュ、じゃあ、当たってみますよ。





〜デーボ〜

しぶる鈴を、無理矢理仕事に行かせ、その足でJ・ガイルの店へ入る。
カウンターに付こうとしないその客に、不信な表情を浮かべるJ・ガイル。

  J・ガイル:おやおや、どうしました?失敗したそうじゃないですか。
    デーボ:もう伝わっていたのか・・早いな。
  J・ガイル:ソリャ仕事ですからね、情報は早いですよぉ?
    デーボ:今日はまだお前も知らない情報を持ってきた。
  J・ガイル:・・・気になりますね・・一体どんな情報で?
    デーボ:この世界から足を洗おうとしている殺し屋の情報だ。
  J・ガイル:・・・・・・・・ 
    デーボ:悪いな、J・ガイル。
  J・ガイル:とうとうそう来ましたか・・。
    デーボ:どうする?
  J・ガイル:当たり前じゃないですか・・・ただじゃ置きませんよ・・!!


ハングドマンが、きらめく刃をちらつかせる。


    デーボ:待て。交換条件がある。
  J・ガイル:どうぞ。
    デーボ:お前が勝ったら、俺は殺し屋を続ける。お前のために働く。
        逆に俺が勝ったら、俺の邪魔をするな。殺し屋は廃業だ。どうだ?
  J・ガイル:もう一つ・・
        アンタが負けたら、あの鈴という女・・・殺させてもらいますよ?
    デーボ:・・・・・・・・・・OK・・・ 
        だが、俺は負けないからな。好きなだけ条件を並べれば良い。



すべての会話がフラッシュバックの様に流れる。
そして、吸い込まれる様に消えていく・・・・・。

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