「あ、こじろー」
双子の一人、美佳が声を上げる。
どうやらこの娘には好かれているらしい。
もう一人の美樹はと言うと、相変わらず俺に敵対心をむき出して睨みつけている。
「なにしに来たのよ」
「なにって、亜美に留守番を頼まれちまったんでな、ちょっと様子見だ」
「へぇ…ふーん」
ニヤニヤと笑う美樹。
気持ち悪いな…
「誰が気持ち悪いのよ」
「お前だ」
「そんなこと言ってイイの?」
「あーはいはい。」
「知らないわよ。安藤にアンタに悪戯されたって言ってやるから」
「そ、そんな面倒なことを言うんじゃない」
「イタズラってなーに?」
「昨日の夜、小次郎がしてたことよ」
「そっかー」
…え?
「昨日の夜小次郎がしてたことよ、ネ、小次郎」
「…俺が、何してたって言うんだ」
「安藤に気持ちイイことされてたじゃない」
「…な…!見、見てたのか?!」
「ボディーガードって、ああ言うこともするんだ?」
「……」
思わず、目をそらす。
気、気がつかなかった、覗かれていただなんて。
しかも、よりによってこの双子に…?!
「ねぇ。男も、されると気持ちイイものなの?」
「……な、何をいきなり」
「見せてよ。」
「な、なにを」
「入れてたトコ」
「じょ、冗談も休み休み言え!」
「だってどこに入れてたのよ。ソコまで見えなかったもの」
美樹の顔は本気だ。
そ、そんなこと言われたって…
俺は赤面して、どう対応したらいいか…
ごまかすと言っても、誤魔化しもどうしてイイのかこの時ばかりは思いつかない。
「そ、そんなこと知っても仕方ないだろう!さっさと勉強しないと亜美に…」
「んじゃー、やっぱりアタシ達小次郎にイタズラされちゃったって言ってやるから」
「そうだそうだー」
美佳がここぞとばかりに嬉しそうに美樹の片棒を担ぐ。
そうは、言っても…
「そ、それはマズイ…」
「んじゃ、見せてよ。」
「…とは言え…」
「今なら誰もいないから、大丈夫よ。内緒にして置いてあげるわ」
美樹の押しに、負けそうになって後図去る。
だって、安東としていたのは夜とは言えども。
今現在、夜は明けたばかりで、
…俺の身体はまだ火照りが消えきらない状態にあるというのに。
「美佳の机の上に座って?」
「…本気かお前ら」
「本気よ。してくれなかったら、あることないこと言っちゃうから」
「…わかったよ…見るだけだぜ…」
もう、しかたない?
しかし、こんなガキの前で股開くなんて…
腰を机の上に乗せて、イタズラそうに笑う美樹の顔を見る。
美佳は、心配そうに見ているが。
止めようとはしないみたいだ。
…双子の視線の中、ベルトをはずす。
ボタンをはずして、少しづつ…
「もったいぶらないでよ。それとも恥ずかしいの?」
「…当たり前だろうが」
「へぇ。あんたにも恥とかそう言う感情があるのね」
「…うるさい、ガキは黙ってろ」
「アッタマくる…さっさとしちゃいなさいよ!」
おもむろにズボンを引っ張られて、引き摺り下ろされて俺は慌てた。
美樹が手をかけて足を開かせたままにしたから、つい、前を隠す。
「隠したら見えないじゃない」
「…見せたくないから隠してるんだ」
「…どこが気持良かったのか教えてよ」
「…そ、そんな…」
「どこ?」
「…」
美佳が興味津々と言った面持ちで、俺のそこを覗きこむ。
「後ろに手をついて、足開いて見せてくれなきゃ…」
「そ、そんな…!」
「イヤ?なら…」
「言っちゃうぞー」
「……」
二人の押しに負けて。
顔をそむけたまま。手を後ろについた。
「…ココ?」
「…ん…」
「安藤に触られてたのって、ココでしょ?」
「そ、そう……っ…さ、触るな」
「気持ちよくなっちゃうから?」
「……っ…だ、駄目、だ…って…」
「こうしたら?」
美樹の指が、俺のその部分を撫でた。
「っぅ…あっ……!……っ…」
思わず声を漏らしたのに気づいて、口を塞ぐ。
「案外可愛い声出すのね、小次郎」
「…と、突然触るからだ」
「どこにいれるの?」
「え?」
「安藤のアレよ」
「…もっと後ろのほう」
「こっち?」
「だ、だか、らっ!触るな…!!」
「こっちってもしかして、アッチの穴?」
「……」
「汚いんじゃない?」
「昨日、する前に洗われたから今は汚くない…と思う」
「……へぇ…」
美樹と美佳が、俺のソコをまじまじと覗きこむ。
「…お、おい…もう、いいだろ?」
「小次郎」
「な、なんだよ」
「片足を机の上について。」
「…ウソ?」
「本当。」
美樹の言う通りにすると、完全全開状態。
「い、いくらなんでも、恥ずかしいぞ…」
「……黙って」
「…み、美樹?」
美樹が俺を見て笑った。
マズイ、完全に美樹達のペースだ。
太腿の内側を、美樹の指がなぞる。
真似をして、美佳の指がもう片方の腿をなぞった。
「…っ…っふ」
「気持ちイイ?」
「く、くすぐったいだけだ」
「本当に?」
美樹の指が縦横無尽に滑る。
俺は後ろ手に手をついたまま…
もう、美樹たちがしていることを目の当たりに出来なくなって、耐え切れずに顔をそむけた。
ほつれた髪が、頬にかかってうっとおしい。
俺は、今、多分美樹たちにとって玩具みたいな物なんだろう。
倒錯した世界に引きずりこまれそうで…
いや、もう引きずりこまれた後なのかもしれない。
昨日安藤に抱かれても、抵抗しきれなかったのは…
多分この家の持つ倒錯した雰囲気に毒されたんだ。
ふと気づくと、美佳の顔が近くにあった。
「…み、美佳…?」
「こじろー、身体にキスしてあげるね」
「ま、待て…」
俺の言葉も聞かずに、俺の服の前のボタンを一つ一つはずし始める。
腿に走るぬめった感触は、美樹の舌…
はだけられた胸へ、美佳の軽いキス。
胸の突起を口に含んで、ゆっくりと舐めとられると、じりじりとした快感が巻き起こる。
「…はぁ、は…っ」
自分の息が高くなるのが分かる。
美樹が俺の顔を見ている。
指が、滑る。
後ろのほうまで滑らされた指が、躊躇なく押しこまれて、俺は目を見開いた。
「う、くぅ…っ!み、美樹…っ!!!!」
「案外簡単に入る物なのね」
そう言いながら、細い指をそっと抜き差しはじめる。
そのすべるような滑らかな感触に、身を捩って顔をそらした。
美樹が、含み笑いをする。
「小次郎、気持イイの?」
「…ち、違う…」
「ウソ」
「ウソじゃ…あ、あっ!」
俺が答えるのに合わせて動かされた指に、つい声が漏れた。
休みなく与えられる胸への軽いついばみ。
子供にイタズラされて、快楽に悶える俺は、多分、軽い限界…
制御が、きかなくなる前に、なんとか…
なんとか、止めないと…
これじゃ、俺はただの慰みモノ…
「小次郎?」
「…!!!」
遠くからの亜美の声に、ビクっとする。
「どこにいるの?」
焦った美佳が身体を起こして部屋の隅に逃げた。
美樹は俺の中から指を抜こうとしない。
「み、美樹っ、見つかる!」
「そうね、でも脱いでるの小次郎だけだし」
「お願いだから、抜いてくれ」
「どうしようかな?」
「た、頼む…」
「んじゃ、しょうがないから抜いてあげるわ」
そう言って。
美樹が身体を起こした。
ニコ、と笑った美樹に一抹の不安を覚える。
「…う、あっ!!!!」
中に入れたままの指が、その場で軽くねじられる。
「や、やめ…」
「亜美が来るわよ〜?」
「た、頼む、やめ…っ、んんっ」
内壁をねじる様に動く指に、身体の熱さが止まらない…
「お願いだ、美樹…!」
「見られたくない?こんなに感じてるのに?」
「ん、んぅ…や、やっ」
動かされる指に、身体がのけぞる。
階段を上がってくる亜美の足音。
「た、頼む、頼むから…」
コツン、
足音が子供部屋の前で止まる。
…
「小次郎、こんなトコロにいたの?何度も呼んだのに返事も無しなんて…」
「す、すまん、聞こえなかったんだ」
「…そう」
亜美は気づいているのだろうか。
俺はなんとか前を掻き合わせて、ボタンを止め、身支度だけは整え終わっていた。
「小次郎」
亜美の声にびくっとする。
美樹がニヤニヤと笑っている。イヤなヤツ…
美佳はなにかおびえたままの表情だ。
ばれるのは怖いのだろう。
…俺だって…
「な、なんだ?」
「髪がグチャグチャよ、あとボタンが段違いだわ。」
「…え?…」
慌ててボタンをかけなおす。
「身支度には気をつけてとあれほど言ったじゃない、安藤はウルサイのよ?」
「…すまん、気をつける」
ばれた訳じゃなさそうだ。
…ふぅ…
安藤が帰ってきたらしい。
…
双子をみると、美樹が目配せしてきた。
…
共有のヒミツってのは、爆弾にもなるってワケだ。
あまり、いい物じゃないな…
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