「小次郎さん」
「うわ!なんだ、真か」

珍しく湯船に使ってボンヤリとしていた俺は、声に驚いて飛びあがった。
振り向くと、風呂場の入り口に真のシルエット。

「どうした?」
「んー、一緒に入ってもイイ?」
「ああ。狭いが、まあイイだろう」

少々、昨日の事…源三郎、オヤッさんとしていた時に事を思い出していたから。
今日はオヤッさんはいない。
なにやら、人と会う用があるからとかで、先に寝ていろ、との事だった。
これで、今日は安心だろう。
少しはまともに休めるってもんだ。

カラカラ、と音がして、真が入って来た。

中学生だから、身体の線がまだ細い。

「お邪魔しますー…」
「ああ。身体洗うならその辺のモノ好きに使ってくれ」
「うん。有難う」
「家の風呂じゃないから落ちつかないと思うが、我慢してくれ」
「そんなことないよ。」
「そうか。」

洗い場に背を向けたまま、俺は顔をちょっとそらして真と話をした。
ゴシゴシ、と身体を洗い始める音が聞こえたので、
俺も湯船に専念することにする。

「小次郎さん」
「なんだ?」

後ろから話しかけられて、そのまま目を閉じたまま、答える。

「お風呂にバスクリンとか入れないの?」
「アレは変な匂いがするから嫌いだ。」
「そうかな?イイ匂いだと思うけど」
「そもそもあの香料ってヤツは科学物質の抱き合わせで
 起こる現象を利用してるわけだろう」
「…そうなの?」
「香料なんて殆どそんなモンさ」
「ふーん」

ザバー。

流してるみたいだな。
ふぅ。
中学生と裸のつきあいか。
なんか、俺、ジジ臭いな。

「小次郎さん、入ってもイイ?」
「あ、ああ。入れるかな」
「入れるよ。」

ちゃぷん。
俺の横に、俺と同じ向きで真が膝を曲げて座る。

「ふー。」
「風呂好きなのか?」
「うん。まったり感がイイよね」
「まったり感?なんだそりゃ」
「さぁ?」

真の肩が俺の肩に触れる。
まあ、狭いからしょうがないか。

真が、しきりに俺を気にしているようだが。

「邪魔だろ?俺は先に出るから…」
「あ、ちょっと待って」
「ん?」
「もうちょっと入っててよ」
「……別に構わないが…」

真の目線が気になる。

「どこ見てる」
「あ、ごめん、つい」

真の眼線の先は、俺の…まあ、アッチ。
男同士で裸だと、確かに、目は行くものだろうな。
良く公衆便所か何かで隣り合わせた男の何を覗き見るなんてのは良くあることだ。

「…あのさ…小次郎さん」
「なんだ?」
「……」

真のほうを見ると、うつむいていて表情が見えなかった。

真の肩が俺の肩に触れる。

「小次郎さん。」
「だから、なんだよ。はっきりしろよ。気持ち悪いな」
「言っていいの?」
「なにを?」
「…昨日の事」
「…?」

昨日?
なんかあったっけ。

「昨日?俺は何か気にいらないことでもしたか」
「そうとも言えるしそうでないとも言えるんだけどさ」
「なんだよ」
「…あのさ」
「なんだよ。」
「見たよ。」
「なにを」
「昨日の夜。見たよ。」

………!

「な…」
「…ゴメンなさい…つ、つい、声が聞こえて目がさめて…」
「………」

なんて、言えば…
でも、ソレを言うのに、わざわざ風呂に一緒に入りに来たってことはだ。
…真…。

「無理矢理?」
「…いや」
「見ててドキドキした…」
「…幻滅したろう」
「ううん。うらやましかった。」
「え?」
「オジさんがうらやましかった。」

そう言った、真の顔が俺を見る。
もじもじとしていた真の腕が、伸びかけて、止まる。

「…小次郎さん、触ってみてもイイ?」
「…覚えても得にはならないぜ」
「いい」
「…本気か?」
「うん。」

俺をじっと見つめる真の顔。
そんなに見られても…困る。

「好きにしろよ」
「…うん」

恐る恐る伸びてきた真の指が。
閉じたままの俺の中心部を探る。

「....」

俺は、息を殺して。

「小次郎さん…足開いてくれないと触れない」
「…これくらいで…イイか」
「うん。痛くない?」
「…大丈夫だ」

少し開いたところへ、真の指が絡みついてきた。
ぴくんと反応した俺の身体が、水音を立てる。

「どう、したらイイかわからないよ」
「…指をからませて…下から上へ擦りあげるように」
「こ、こう?」
「う、んんんっ…そ、そうだ」
「気持ちイイ?」
「もっと、強くても、大丈夫だ…」
「こうかな?」

強く握った真の指が、パシャンと音を立てて動いた。
思わず、背を反らせる。

「…っく…し、真…もう…よさないか」
「イヤ?」
「…って言うか…恥ずかしい」
「イヤじゃないんだ?」
「お前に悪い影響だとも思う。」
「僕はしたい。僕のこの気持は押さえなければいけない物?」

俺にはどっちとも言えない。
そもそも、俺はこんなガキ食っちまっていいんだろうか。
俺の責任問題にならないだろうな。

「僕の手で昨日みたいな声が聞いてみたいんだ。」

大真面目にそんな事言うな。
…ん?
ちょっとまて。

「ちょっと待て真。お前、俺に…入れるつもりか?」
「え?違うの?」
「お、俺はてっきりしてもらいたいのかと。」
「違うよ!」

そんなはっきり否定しなくても…
引く様子のない真に、なかば諦めもあって。

「湯船のフチに座れ。口でしてやる」
「…う、うん」

俺の言う通りに、真がフチに腰をかける。
温かいお湯で冷たいタイルを温めてやる。
そのタイルに、真が背中を預けた。

開いた膝の間に、俺は顔を埋めた。
まだ幼いソコに、口付けて。
口に含んで、舐め上げる。
ふと上を見ると、真が俺の口元を見ていた。
照れくさくなって、手で口元を隠す。

「こじ、ろ…さん…見せて」
「んん…っ…見てもしょうがない、だろ」
「見たいよ」

唇を真のソレに犯される様を。
まじまじと見られて。
のぼせたんだ、きっと。
じゃなければ、こんなに頭がボーっとするわけがない。
真の前触れのない射精を顔に受けて目を閉じる。
ぬぐい取りながら、自分の息が荒いのに気づいた。

「小次郎さんゴメンなさい…我慢できなくて…」
「イイ、中出しよりは慣れてる」
「中出し?」
「入れて、中にいれたまま、出されちゃう事」
「気持ち悪いの?」
「…出される時の感触が、いかにも犯されましたって感じで…ちょっと抵抗はあるな」

そう言いながら、無意識に俺は真のモノをもう一度舌で舐め上げていた。
放った液体が舌とソレに絡みついて。
突き出した舌先から、糸が筋を引いた。

「っはぁ…っ」
「小次郎さん、上手なんだね…」
「……ん…んっ」
「も、もう一度口に出ちゃうよ…」
「ん…待て、我慢…しろ…こっち、使ってイイから」
「こっち?」
「入れたいんだろ?」
「うん」
「…洗い場の方に出てもイイか?のぼせそうだ…」

うなずく真を置いて、先に洗い場にへたり込む。

「真、いいぜ…慣れてないから、後ろからの方が…イイかもしれない」
「うん。行くよ。」
「…っく…ゆっくり…」
「こう?」

真のソレが、入り口でぬるりと滑る。

「…むずかしいね」
「…もうちょっと強くしないと…キツイから入りにくいかもしれない」
「こうかな?」
「う、あああっ!!!!」

無謀な強さで押しこまれたソレに、つい悲鳴が漏れた。

「だ、大丈夫?」
「ん…っ、いきなり…っ」
「ごめん」
「は、はぁっ…う、動いても…大丈夫だ」
「ど、どうすればイイの?」

どうすればイイの?って…
俺が、口で説明するのか?
抜いたり入れたりしろ、って…
俺がそれじゃ変態っぽいぞ。

「す、好きな様にしてみろ」
「んじゃもう一回抜いていれてみてイイ?」
「…っ…うあ」
「もう抜いちゃったけど」
「…ちょっ…ひあああっ!」
「…う、うわ、また強かった?」
「わ、わざ、と、ヤって…ん…う、あうっ!」

真は飽きもせずに何度も、抜いてまた、入れなおす、を繰り返した。
そのたびに、俺の頭に火花が飛び散る。
こ、こんなやり方、したこと…ない。

「ん、あ…真…っ、も、もう、や…ッ」
「え?え?」
「ちょと、っ、止まっ…」
「大丈夫?」

大丈夫じゃ、ない。

「待て、こ、こういう風に…」

俺が、動いて見せるしか、ないみたいだ。
真には身体を固定してもらって。
仰向けに寝かせた真の上に俺はまたがった。

「んん…ッ…くぅ…っ」
「小次郎さん…」
「ぅ、はぁ…こ、これくらいゆっくり、入れるんだ」
「うん」
「う、動く時は…抜ききらないで、こう…あ、あッ…」

さっきの真の無謀な動きで刺激されまくっていたのか。
俺は何をしてもマトモに喋れなくて。
真の目の前で、自分で入れて。
腰を持ち上げて、ゆっくりと落としてもう一度深く入れなおす。
そうして、見せた。

「こんな動き、を、繰り返して…ん、んっ」
「僕が動いて?」
「そ、そうだ」
「こう?」
「う、うあ…もう、もう勘弁してくれ…」
「痛い?苦しいの?大丈夫?無理、しないでよ小次郎さん…」
「真…、もう。もうこれ以上焦らさないで…くれ…っ」
「…小次郎さん、イキたいの我慢…してる?」
「し、てる…も、もう、イイか、?」

真が、ニッコリと笑った。

「後、十回動いて見せてくれたら、イイよ」
「そ、そんな…もたない…っ」
「十回。」
「…う…く、そ…っ…うあ…」

真の言うことを聞く理由なんかなかったはずなのに。
俺の判断力はもう皆無に等しくて。
なんとか動いたものの、数なんて数えられなかった。

「ふぅっ、く、ん、ん、んッ…んんんっー!!!!」

叫びそうになる口を片手で強く塞いで。
こみ上げてきた強い濁流に押し流されて、俺は絶頂を向かえた。
その瞬間に俺の苦手な感触が、直腸内に飛び散った。







「ゴメン小次郎さん!」
「……」
「中出ししちゃった。」
「……やっぱりしたのか」
「うん。」
「うん。じゃない」
「今度は外に出すから。」

今度は?

「真、なんで俺の腰に手をかけてる?」
「外に出さないと。」
「そ、そう何度も…」
「だって小次郎さん十回動く前に終わっちゃうんだもん、罰金もんだよ」
「…なんで罰金なんだ…」

楽しそうに笑う真に、やっぱりマズイことを教えてしまったのではないだろうか、と。
ところで。

「………じゃあ、何回、だった?」
「3回」
「う、ウソだろ?」
「3回だった。十回の半分もいってないよ」

中出ししたのと差っぴいて、チャラにはならないだろうか…

考えていると、真が舌を出した。

「差し引きでも2回分くらいは残るよ多分」

おいおいおいおい。


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