バス停に銃弾が打ちこまれて、俺はとっさに身を伏せた。
銃を構えるが、撃ち返す暇もないほど相手は打ちこんでくる。
な、なんだってんだ!

「…あれは、平松…」

銃撃の合間を縫って覗き見ると、仁科組の若頭、平松の姿があった。
真をかくまっているのがばれたのか、それとも、仁科の差し金か…?

休むまもなく引鉄を引く仁科に、対抗のすべがない。

ど、どうしたら…
グロッグの引鉄に指をかけてはみるが…
どう、撃てと言うんだ…

幸いなのか、何故か俺には銃弾はまだかすめもしてない。
平松の姿は、だんだんと俺に向かって近寄ってくる。

「観念しな」

こんなところで、死ぬツモリはないぜ…
しかし……

銃を向けて迫ってくる平松に、グロッグを向ける。

「ほう、物騒な物を持っているな」

…物騒なのはどっちだ!

迫り来る平松に、撃たなくては、と頭では思うけれども…

「どうした?撃たんのか?」
「…っく…」

ココで俺が撃ったら…
当たれば、ヤツは死ぬんじゃないか?
人を殺す?
何の為に?
この銃はやっぱり人殺しの道具だ…

「…う」

平松の銃が、俺の額に向けられる。

「く、くそ…ッ」
「ハッ、銃を持つのははじめてか。引鉄が引けなければなんの意味もない飾り物だぞ坊主?」
「う、うるさい!」

しかし、手は震えるばかりで…
駄目だ…
撃ったら、死ぬ。
平松の銃口が、俺の額に当たった。
…撃たなければ俺が死ぬ…

手が震えるばかりで…

「面白い坊主だ。殺してやるが、その前に少々勉強をさせてやろう」
「…?!」

腹に平松のつま先が食い込む衝撃。
その一撃だけで、俺の意識は途切れた。








……
……
俺は…


目を開く。

「おっと、お目覚めだな」
「……!!!」

あたりを確認すると、趣味の悪い豪華さを伴った和室。
仁科組の屋敷、と考えるのが相場か…
俺はまだ生きているらしい。
しかし、何故?

ギシ。

腕を動かそうとして、異変に気づく。

後ろ手に縛られて、転がされているらしい。
う、動けない…
…このままコンクリート詰とか?
…嫌すぎるぞソレは。

「天城小次郎、か。変わった名前だな」
「文句があるならオヤジに言ってくれ」
「口の減らない小僧だ…ここで俺に逆らうといい目を見んぞ」
「どっちにしろ今が最悪の状況さ」
「そう思うか?」
「…どう言う意味だ」
「口の聞き方を教えてやろう。おい、輪姦(まわ)してやれ」
「な……!??!う、ウソだろ!?」
「貴様の部屋にしかけた盗聴器でそう言う趣味があるのはわかっている、ソレほど無茶なことじゃない筈だぜ」

…ってことは…
オヤッさんとのあのことも…
もしかしたら、真とのアレも…
筒抜けだったってのか?
思い出して、ソレを聞かれていたという事実に赤面する。

平松の後ろに鎮座していた男3人が、俺の目の前に歩を進めた。

「こ、こんなことしたってなんの得にも…」
「そう思うのはまだ楽しみ方を知らない証拠だ。」
「そ、そんなモン知りたくないぞ俺は!…うわ。離せ…!!」

足を掴んだ男に向けて、蹴りを入れようとするが、ソレを逆に掴まれて固定される。

「っく…」
「無駄だ。抵抗すればそれだけ痛い目にあうぞ」

刃物が目に写る。
キラキラと光るそれは、俺の足元へと動いていく…

「や、やめ…」
「動くな」

始めて聞いた、俺の足を掴んだ男の声。
低くて、重圧感のある、声。
思わず、身を硬くして動きを止めた。

ピリ…


足元から、布を切り裂いて、ソレが上がってくる。


「う…ッ……」


恐怖と、緊張で…
息をするのも、つらい…。
ひどく長く感じられたその時間、パチンという刃物をしまう音で我に返った。

ズタズタに切り裂かれた下半身に纏わりついた布。
御丁寧にシャツのボタンまでもがはずされている。

「咥えろ」
「イヤだ!」

パン。

頬を一つ平手打ちされて。
眩暈が走る。

「アレを持って来い、キツイヤツをな」
「はい」

声をかけられて、一人の男が立ちあがった。
…アレ?
…俺、どうなるんだろう…
どう、なっちゃうんだろう…
こんな生殺しの状態…
イヤ、生きているだけまだまし?
カタン。
男が戻ってきて、その手に握られているものを見た途端、俺は愕然とした。

「うつ伏せにして押さえろ」
「はい」
「イ、イヤだ、止めろ、何をする気だ…!!」
「お前が一生かかってもお目にかかれないくらい純度の高い美味しい物さ…」
「う、うあああっ!!!」

うつ伏せに3人の男が俺を強く押さえつける。
到底、動けた物じゃない…
軽い痛みを上腕に感じて。
その途端に、視界がぐらり、と揺れた。

「う、っく…あ…なん…」
「コカインか、LSDか。それともモルヒネにしておくか?仁科が作った麻薬の一種さ」
「…は、はぁ…ッ…」

身体の力が抜けて。
考えようとしても、頭が思う様に働かない。
駄目だ…

うつ伏せのまま、腰を高く持ち上げられて、足を大きく開かれる。

「っぅ…や…」

ぴちゃ。

「ひあ…っ!」

腿から這わされた舌が、きつく閉じた俺のソコに、直接の刺激を与えてきた。
ジリジリと、ソコを舐ると、ゆっくりと舌が入ってくる。

「や、や…ッいや…だ…あ、っ」

それがなんなのか、俺はだんだんと理解出来なくなってきて…
口をこじ開けられて、口内に無理に入って来たソレが、熱い物だと言うことくらいしか…

「ん、んぐ、んう…」

俺の身体の下にもぐりこんだ男は、俺のソレを口に含んで吸い上げている。
もう、快感なんだか、苦痛なんだか、わからない。
俺自身に強く歯を立てられて、そのまま擦り上げられても、
出た悲鳴は押し込まれた物で掻き消される。

口の中にあるモノが激しく動かされて…
突然大量の液体が俺の息をふさぐ。

むせかえると、その液体が口を伝って咽喉下まで流れた。

誰かの含み笑い。

俺は身体を反らして、下半身に与えられる快楽に歪む…。

「痛ぅ……ああああッ!」

噛み千切られるような痛みと、直腸内への突然の摩擦。
腰を掴んだ指が、俺の身体を無理に押し上げる。
ピタピタと冷たい感触に頬を叩かれて、薄目を開けると、平松が笑っていた。

「どうした?もうオカシクなっちまったか?」
「う、う…あ……も、もぉ…」
「なんだ?」
「助け…」
「オイオイ、始まったばかりだぜ?言葉も出ないくらいにしてやんな」
「了解しました」
「い、いやだぁ…ッやめ…うわああッ!!」

身体を押し開かれて、平松の腹心が俺を腰の上に座らせる。
そのまま足を大きく開かされて…

「もっとイイ感じにしてやる…ちょっと動きを止めろ」
「…はい」
「…は、はッ……う…何を…」

平松は大きく開いた俺の足を指でなぞると、意味深な笑いを俺に向けた。

その手に、光る短刀。

「や、ッ…やめ…」
「安心しろ、殺しゃしねえ」

短刀の先が、俺の内腿に当てられ…
かすかな赤い線を引いて、ゆっくりと滑らされる。

「…ッく、う、うっ…」

何故だろう。
痛い筈なのに、その感触がゾクゾクと身体中を走りぬける。

「や、あッ…っふ…」
「コレくらいでイイだろう。犯してやんな」

その声と共に。
強い衝撃と抜き差しの摩擦が、俺を襲う。

「う、うあああっ!お願い、だ、か、ら…も、もう、やめ…!」

こんな感覚、初めてで…
何をされても、快感になってしまいそうなほど、身体中が熱い。
突き動かされる俺の身体の中心に、平松が手を伸ばした。
俺の横に立った男が、自分のモノを扱き始める…
何人もの男に囲まれて、
身体中を慰みモノにされた。
目の前で擦りたてられ、脈打った物から俺の顔へと飛沫が飛び散る。
身体中をソレに汚されて。
平松のねちっこい緩やかな責めに、身悶えて震える。
駄目、駄目だ……もう…自由にしてくれ…!!

黒い影が遠ざかり…

冷たい感触に俺は我に帰った。

「薬が切れてきたか…」
「…う、うっ…平松…?ッあ…ッ」

今俺の中で緩やかなピストンを続けているのは平松自身。
ゆっくりとした動きに、意識が流されそうになりながら、戻ってくる…

「何人に犯されたとおもう?」
「…あ、あッ…も、やめ…」
「十人くらいはお前に掛けてるぜ」
「し、しらな……っ…や、ぬ、抜け…」
「抜いてる最中だ。こんなにな」
「ち、違…う、ああッん」

ジョークのツモリなのか、そうイイながら、平松は俺の中を深くえぐった。
仰向けに寝かされて、あたりを薄目で見渡すと、俺と平松以外はもう誰もいないようだった。
俺の腰に手を回して、持ち上げる。

「もっと深く入るぞ…」
「う、ちょ、ちょっと…待…っくぅ!!」

深く入って来た平松の顔が、俺の表情を覗きこむ。

「み、見るなぁッ」
「アレだけ乱れて置いて今更なにを言う」
「そ、そんなの…知ら、ない…!」
「あとで見せてやろうか。ビデオにとって残してある」
「…へ、変態…!!!」
「まだ口の聞き方がわからないのかテメェ」
「……!!!!!」

俺の足を担ぎ上げた平松が、そのまま身体を丸め込むように体勢を変えた。
俺の膝が、肩につきそうなくらい、折り曲げられて…
自分の乱れきったソレが、自分の目に入る。

「や、やッ…」
「目を開け。俺のモノが入っているのをよくみるんだ」
「い、や、だっ!!!」
「なら、こうだ」
「ふぅっ…あああッ!」

そのままの体勢で、上から激しく突き入れられる。
知らずに溢れた涙が、伝うのを感じるけれど、もう汗なのか涙なのかさえもわからない…
平松のゴツイ手が、俺のソコを握り締めて、みだらに愛撫する。

「このままイって、自分の顔に掛けな」
「ヤ、ヤだ、そんなことしたく…っ、ふ、ぅうッ」
「ホラ、どうした?俺の手の中のコレがイきたいって言ってるぜ?」
「うあ、あああっ…」

冷静にならなくちゃ、
このままイッたら、このままだと本当に自分の身体に…
そんな辱め、受けたくない…!

「俺のモノもこんなに、深く入っちまって…見えるか?」

わざと見せつけるように、平松がソレを浅く抜いて、ゆっくりと腰を打ち付ける。

「う、うあ…ッ」

懸命に顔を反らしても。
恐怖なのか、ソレから目をそらすことが出来なかった。
俺の中に、平松の太い棒が深く差し込まれていく…

「見せてみろ、俺の目の前でお前のコレから吐き出す瞬間をな」
「…や、やっ…」
「ならもう一度薬を打とうか?恥ずかしげもなく何度も吐き出すお前をもう一度見てやろうか」
「いや、だぁぁあッ!!もう、もうイイだろう、もうやめてくれぇッ!!」
「ならイキな。」

強く激しくなる平松の動きと、比例するその手の動きに、
咽喉がはり付いて噎せ返りながら、俺は酸素を求めた。

「も、もう…っ…だ、駄目…っ」
「見せろ、俺にお前のイク瞬間を。」
「後生だ…!」
「駄目だ。イキな」

平松は手加減無しと言った風で、俺を打ちつける。
もう、限界だ。
我慢できない、でも我慢しなくちゃ、でも…
眩暈がする、奥が熱い…!!!
休みなく送られる快感の束に、俺はとどまれる術もなかった…

「う、うああっそ、そんな、そんなにしたらぁ…ッく、う、あ、あ、あああーーッ!!!」

熱い衝撃に襲われて、自分の吐き出した物が頬に胸に飛沫を散らす。
顔を反らしたけれども、無駄だった。

平松が、じっと俺を見ている。

その視線から、逃げたい…!

「み、見るな…ッ、や…う…んん…ッ!!」

俺が吐き出し尽くすまで全部…平松は笑いの張りついた顔で見ていた。
見届けきった直後…平松は残酷にも動きを再開した。
驚きに、目を見開く。

「ひぃ、ひ、う、うあああああッ!!!」
「俺にもイイ目見させろや…ん、ッく…」

自分がイク為だけの激しい抜き差し、平松自身を摩擦するだけの為の俺の内壁。
果てたばかりで納まりきらない俺のソコを手加減なく突き刺す。
ビクン、と平松の動きが止まった。
同時に、俺の中から平松はソレを抜き出す。

「出すぞ…ッ」

飛び散った物が、俺の出した物と混ざって…
俺の肌を、濡らした。





其の後、ルースに助け出されたが…
「ずっとアナタをつけていたのよ」
その言葉に、疑問を感じる。
んじゃ、なんで俺があんな目にあっていた時に、助け出してくれなかったんだ。

「面白いものも手に入ったしね」

そう言って笑うルースの手には、ビデオテープが握られていた。





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