「だから遅くなったのは悪かったといっているだろう」

安藤は怒りを露わにして、俺を睨みつけている。
まあ無理もない、時間通りにこの家に来なかったのは、
仕事を放棄したと見られても仕方がないことだから。

「もう少し責任感と緊張感を持ってほしいものだな天城君。」
「ああ、すまなかったと思ってる。」
「今度からこう言うことのないように気をつけてくれたまえ。」
「ああ。」

安藤は書斎の大きな机の奥にある、
これまた大きな椅子に深く腰掛けていた。
まあ腰掛けている人間が大きいのだから、
これくらいのサイズでもちょうど普通サイズには見えなくもないが。

「天城君。」
「なんだ?」
「少々君は私を舐めてかかっている様だね。」
「い、いや、そんなコトは…」

そう思われても仕方がないコトを俺はしたんだろう。
けれども信用されなくてはこの仕事は勤まらない。

「信頼出来る人間だと思っていたのだがね」
「…すまない」
「少し自分の立場をわかってもらいたいものだね」
「分かっているツモリだ」
「わかっていない様だから言っているんだ。」
「……」

いつになく、安藤は強い調子で俺に言葉をかける。

「だからと言ってアンタに絶対服従するツモリは…」
「ないのか」
「ない」
「それでは困る。」

そう言って安藤が立ちあがった。
手には、ステアーが握られている。

「…なんのツモリだよ」
「言う通りにしなさい」
「…俺はこの仕事降りても構わないんだぜ」

チャキ。

「…俺にどうさせたいんだ」
「私の方に来なさい」

向けられたステアーから目を離さずに、俺はその言葉に従った。
安藤と机の間には、俺が入れる位のスペースが開けられている。

「机の上に座りなさい」
「……」

言われるがままに、そこに腰をかけた。

「足を開いて」
「…何故だ」
「開け」
「……身体まで売った覚えはないぜ?」
「報酬を跳ね上げておこう」
「……銃を突きつけて言う台詞じゃないぜ」
「そうかね」

ステアーの向きが俺の胸から、だんだんと下ろされていく。

「…っ」

開いた俺の足の間…
丁度その部分に、ステアーの先が押し当てられた。

「…な…!」
「立場を知るのも勉強だと思わないかね?」
「お、思わないね」
「じゃあ少々手荒になるが仕方がない」

安藤のステアーが俺のソコに強く食いこむ。
服の前をはだけられ、胸に安藤の生ぬるい舌が這い始めた。

「…っく…」
「君は私の言う通りになるんだ」
「なるか…」
「なるさ」

ゆっくりと這う舌が、俺の胸の突起を捉えて、舐めあげた。

「…っ」

そのまま、じわじわとそこを嬲る。
ステアーが押しつけられて軽い回転の動きを俺の下腹部に与えている。
痛いような、むず痒いような…

「あ、安藤…こんな事して亜美達に見つかったら…」
「ココは私の家で主は私だ。誰にも文句は言わせんよ」
「っく…あぅ!」

突起を転がしていた舌先が、不意に離れて、
冷たい歯の感触が軽い痛みを送ってきた。

「か、噛むなっ」
「嫌いかね?」
「…俺があんたに逆らうと面倒なのは分かったよ…だから」
「ココまで来て、『だから』、はないだろう」
「…ん、う…」

ステアーの先が、軽く俺のそこをなぞって。
銃身のゴツゴツした突起部分が、先の方に擦りつけられる。
ゾクっと来て、思わず顔をそむけた。

「この銃にセーフティーはついていない」
「そ、そんなアブナイもの…」
「ギリギリの緊張感と言うのもいいだろう?
 さあ、下を脱いで背中をこっちに向けるんだ」
「…イヤだと言ったら?」
「片方くらい潰してやっても構わんかね?」
「…わかったよ」

安藤の言葉に、しぶしぶ…いや、俺は素直に従った。
期待?
するわけ、ないだろ。
……。

「脱いだぜ…」
「スーツの上着くらい脱ぎたまえよ」
「…これでイイか?」

上着を取り払って。
テーブルに向かって立ち、座っている安藤に背中を向ける。

「そうだね。なかなかイイ」

そう言いながら、もう一度ステアーの銃口が俺の身体に押し当てられた。
背中から銃口の感触が降りてくる。

「…いい加減、銃を、しまったらどうなんだ」

俺の言葉への返答はなく。
肩越しに安藤を確認すると、目線があって、含み笑いされた。
ステアーが、滑る。
背中から腰、そのまま脇を通って内腿へ…

「…ん…っ」
「もうちょっと足を開きなさい」
「…も、もうイイだろ?」
「おいおい、どうせなら最後まで楽しもうじゃないか。」

内腿に太い指がかけられて。
誘導されるがまま、俺は足を開いた。
内腿に押し付けられていたステアーの銃身が、
ゆっくりと下腹部の中心へと上がってくる。

「…く…あ…っ…」
「イイ反応だ。」

ギシ、とテーブルがなる。
テーブルに手をついて、俺は身体を捩る。
銃口の先が…
きつく閉めたソコの部分を押し上げようとしている。

「…う…、や、やめろ…」
「これよりも指がイイかね?ソレともすぐに私自身を入れようか?」
「…どっちにしても、何か入れる気なんだな……!?う、ああっ…!!」

安藤が後ろから覆い被さるようにして、俺の背中に密着した。
ソレと同時に、太いものが俺の後ろを割って入ってきた。

「ん、んんっ…!」

ステアーはいつのまにか前に来ていて、俺の下半身をくすぐっている。
安藤は俺の奥まで自身を埋め込むと、焦らすように、動き始めた。
ジリジリと焦がされる様に、呼び覚まされていく…

「もっと腰を突き出すんだ」
「……っ…あぅ…!!!」

言われるがままに、身体を倒してテーブルの縁を掴む。
腰骨に強い力で指が食いこむ。
冷たいテーブル。
ゆっくりと突き上げられて、俺の身体はテーブルの上で揺れた。
汗が一滴…額を伝って落ちる。

「探偵とは足を使うんだろう?」
「…そ、そうだ…」
「そのせいかよく締まるぞ…なかなかにイイ」
「…う、嬉しくない…っん、んぅ!」

ガタン。
突然の強い調子で突き上げられて、眩暈が走った。
テーブルの縁にかけた俺の指が、震えている。
熱い…
開いた唇から、乱れた息が漏れる。

「分かるかね、言うなればワタシ達はこういう関係なのだよ」
「…わ、分かる…かっ」
「まだ分からないか。強情な男だね君も…仕方がない、もう一つ枷を与えよう」

ズルリ、とおもむろに引きぬかれて、身体が軽くなる。
引出しを開ける音。

「な、何を…」
「安心しろ、ステアーよりは問題はない」
「よりは…って、充分問題が…」

ぐい、と、
足を開かされて。

「う、うわ!なにを…!!!」
「黙れ。亜美たちに見つかりたいのか?」
「…っ…」

さっきまで安藤に犯されていたその部分に。
冷たい感触が押し当てられた。

「な……ん…んうぅぅっ!!!」

安藤の指とともに、冷たいものが奥まで押しこまれる。

「さて…いれるぞ天城君」
「ちょ、ちょっと今のは…」
「なんてコトはない、ただのネックレスだよ」
「…な、ちょ、ちょ…う、うわああああっ!!!」

安藤のモノがもう一度俺の身体を押し開く。
その勢いと、中に捩じれて擦れる玉状の物体の感触に
思わず悲鳴が漏れた。
休みなく動きつづける安藤のピストンに、息が上がって咽喉が張りつく…

「や、や…っ、やめ…う、うっ」
「どうしたね、さっきまでの勢いがないぞ?」
「だ、だって、こんな…あ、ああ…!」
「中で擦れるねぇ…うっ…これはイイ気持ちだ」
「ひ、ひぁ…っ…!!」
「そろそろ自分の立場が分かったかね?」
「わ、分かった、分かった、か、ら…っあ…」
「そうか良かった。ならばご褒美だ天城君」

かすかに開いた俺の口に、ステアーの銃口が押し込まれる。

「ん、んぐぅ…!!」
「怖いかね?」
「う、うっ…んん!!」

間違って暴発でもしたら、俺の頭は吹っ飛んでしまう…!!
そ、そんな、余裕なんてもう、ないのに!

「私がイクまで、離すんじゃないぞ?」
「…ん、ん…っ」

ガリ、と歯に当たる冷たい感触。
恐怖と緊張感と、後ろからの際限のない快感とのギャップが、
俺の判断力を鈍らせる…
怖い?

「…ん、んう…、ふ、うっ…」

突き上げる感触に、咽喉をそらそうとして、ステアーの存在に気づいてそれに耐える。
もう、早くイって、解放してくれ…!
このままだと、俺の感覚はおかしくなってしまいそうだ…

「イクぞ、天城君…」

その言葉と共にステアーは口から抜き取られ、
身体を無理に起こされて、振り向かされた俺の口に、安藤は生々しいものを飛び散らせた。

「…っ」
「舐めるんだ」

言葉のままに。
吐き出したモノで濡れた安藤のそれを、口に含む。
舌を使ってそれを綺麗にすると、安藤は満足そうに笑った。


…ボディーガードに夜伽がついたんじゃ、
倍に跳ね上げた位じゃ、足りないぜ…本気で…

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