「くぉらー小次郎!」

ガンガンガンガン。

扉を叩いた拳が微妙に痛い。
僕がこんなに呼んでるってのに、なんであの男は顔を出さないんだ。
おもむろにノブに手をかけて、回して引く。

「うわ」

素っ頓狂な声がして。
僕が引いた扉ごと、小次郎が飛び出してきた。

「馬鹿か君は」
「う、うるさい、そもそもなんでお前がここに来るんだ」
「近くまできたから顔を見せに来てやったのだ。ありがたく思え」
「見たくない。さようなら。」
「おいおいおいおい!」

ガン。
扉に足を挟んで。

「中に入れたまえ。」
「イヤだね。無理に入れば不法侵入罪だぜ」
「僕は酔っている。」
「だからなんだよ」
「ここで君の悪口を連発してやろうか大声で。」
「勝手にしろ。」
「この部屋に住んでる小次郎は痴漢だぞー!」

バコ。
頭が痛い。

「水くらいくれてやるから中に入れ、ッたく…」

小次郎はめんどくさそうな顔をして僕を家の中にいれた。
ここはマンション、と言っても、2階までしかないが、
その一角を小次郎が借りていると言うわけだな。
部屋にはいると、意外と片付いていた。
女でもいるのか。
水を汲みに行った小次郎を横目で確認して、
近くにあった雑誌を引き寄せる。
ぱらぱらぱらぱら。
面白くない。

「小次郎!」
「な、なんだ!大声を出すな。叩き出すぞ」
「酒もってきた」
「……」
「飲め」
「何故俺がお前と酒を飲むなんてそんなボランティアをしなければならんのだ」
「ボランティアだと!?」
「うるさいな…水でも飲んで落ちつけ」

落ちついていられるか。
小次郎ってヤツは何かあると俺を馬鹿にしやがる。
イライラするんだ、コイツの顔見てると。
いつかぎゃふんと言わせてやりたいんだ。

うう、僕はちょっと酔いすぎているのだろうか…

「んぐんぐんぐんぐ。」
「おいおいおい、二階堂!酒じゃなくて水を飲めって」
「ヤだ」
「子供かお前は」
「そうやって馬鹿にするんだ」
「馬鹿に馬鹿と言ってなにが悪い」
「むか。」

僕は、頭にきたからな。

「こじろー」
「変な声で呼ぶな気色悪い」
「今日と言う今日は許さんぞー!」
「なんだ、おまえもう酔ってんのか?」
「うぷ」
「は、吐くな!」

慌ててかけよって小次郎が僕の肩を抱く。
気持ち悪い…
覗きこんだ小次郎の、髪が僕の頬に触れる。
柔らかい髪がくすぐったい。

「小次郎…」
「吐くなよ」
「んー」
「んん?!」

小次郎の唇に自分の唇を強く押しつけた。
そのまま体重で押し倒す。

「…二階堂!」
「うるさい。近寄った貴様の負けだ」
「キスしやがったな!?変態かお前!」
「変態か。好きに言いたまえ」

近くにあった缶の酒を小次郎の顔にぶちまけてやる。

「う…っ、ちょ…」

髪と頬が濡れて。
それを舌で舐めとる。

「二階堂…?」
「じっとしていろ」
「勝手なことを言うな」
「これでもか!」
「うわぁっ!離せ…」

僕の手は、小次郎の下半身の大切な部分を掴んだ。
服の上から、ぐりぐりとソコを嬲る。

「や、やめ…」
「いやだね」
「二階堂、お前変だぞ…っ、ッく、…手を…」
「じかに触って欲しいかい?」
「ば、馬鹿を言うな…っ、」

その声を無視して。
スーツの前ボタンとシャツのボタンを引き千切る。
もがく小次郎の、中心部を強く握って動きを止める。
知らずの内に、舌なめずりをしていた。
犯して、あげよう。

仰向けに寝かせた小次郎に、シックスティーナインの体勢で覆い被さる。

「に、にかいど…」
「おっと、動いちゃ駄目だよ」
「う、わ…っ!」

ズボンの中に手を滑りこませて、直にその部分を握ると、小次郎が悲鳴を上げた。

「すぐに気持良くしてあげるからねぇ〜」
「や、やめ……ん、っ、は、離せ」
「こうしたら良くなるか?」
「あ…っ、う、動かすな…!や…っ」

足を開かせて、閉じようとするのを叩いて牽制する。
ズボンは思ったより簡単に脱がせることが出来た。
腿を抱えこんで、下腹部に舌を這わせる。

「ん…っ」
「ココか?」
「う…あッ…」
「僕のを咥えて?」
「だ、誰が…」
「しなきゃ、ココ噛み千切ってやろうか」
「…っぅ…」

小次郎の反応を見せ始めたその部分に軽く歯を立てる。

「…っあぅ…!!」
「分かったら、ほら」
「…うう…」

自分のそれを取り出して、小次郎の唇に押しつけた。
舌で包みこまれて飲みこまれて行く。
腰を押しつけて口内に押しこみ、出し入れするように動かしてやると、苦しそうにうめいた。
僕の腰に手をそえて、突き入れられるソレに懸命に舌を絡ませている。
僕はその間も、小次郎のその部分に軽く歯を立てていた。

「…んん…っ!!」
「痛い?」
「ん、ぐ…」
「大丈夫かい小次郎?」
「んん…っ!」

ぐい、と突き入れると、ぬめった音が聞こえた。
僕の腰を掴んだ小次郎の指が、震える。
苦しいかい?
ココを噛んだら痛いかい?
…ココに、指入れたら、どんな声出すんだろうね。
小次郎の先から溢れ出した蜜を指にからめとって、
きつく閉じた後ろの穴に指を滑らせた。

「ん、んんんっーー!!」
「聞こえないよ」
「ん…ぅ…っ」
「いれて欲しいのかい?」
「ん…んんっ」
「そーかそーか、んじゃ思いっきりしてあげよう」
「んんー…!!!!」

抵抗の声だろうとは思うけれど、無視。
震える両足を無理に開かせて、腰に手を回して浮かせる。
小次郎の蜜で濡れた指を。
ぐい、と強く押しこんだ。

「んぐぅっ!!!!」

ビクン、と小次郎の身体が跳ねる。
人差し指をそのまま奥まで押し込んで、掻きまわす。
勿論、小次郎の口に入れた僕のモノは、上下に動いてその唇を犯す。
入れて動かしてるみたいで。
嗜虐的な気持が止まらない。
もっと苛めてあげよう。
いつものお礼だよ…

「よく見えるぞ…僕の指が出たり入ったりしている」
「…っ、ん、ん…っ、ふ、ぅ…っ」
「イイ反応だねェ。犯されて気持ちイイのか小次郎?」

朦朧としかけてる小次郎の口からソレを抜いて。
向き直って、小次郎の顔を覗きこんだ。
無論、指は入れたまま。
その膝を持ち上げて、腰ごと身体を丸めこむような体勢をとらせる。

「あ、やめろ…っ」

恥ずかしいのか、僕の手に指をかけてはずそうとするのを振り払う。

「入ったり出たりしてるよ?」
「や、やう…うっ…」
「もう一本入れてあげようか」
「い、や、だ…っうあ…!!!」

人差し指に加えて、中指を滑りこませる。
さすがに、きつい、な。
いやいやと首を振る小次郎に、ニッコリと笑いかけて。
その顔、表情をのがさないように覗きこんで。
突き刺した2本の指を、激しく動かしてやる。

「ん、ふぅぅっ!!!やぁ、やっ」
「気持イイかい?」
「に、かい、どぉっ…こ、こんな、こと」
「してもらって嬉しい?え?もっと、強く?」
「い、やだ…あああぅっ!」

僕に顔を覗きこまれた小次郎は、顔を見せまいと、懸命にそらすけれど。
無駄だよ。
喘ぐ声も、熱い息も、快楽に火照ったその表情も、全部見ていて上げるからね。
ぐちゅ。

「も、もぉ、やめ…」
「なにを?」
「そ、その指…」
「これ?」

言葉と同時に、激しく内壁を擦りたてた。
ビクンと跳ねあがった小次郎の身体が、のけぞって震える。

「どうしたのかな?」
「ふ、ふぅ…ああっ!!」
「僕のコト馬鹿にしてるくせにヒドイ乱れようだね」
「か、勝手なコトを…うああっ」
「くだらないコト言うと、もっとヒドイことするよ?」
「う、っ、下衆野郎…」
「犯して欲しいのかそんなに!ココをもっと強く嬲って欲しいのか?!」

持ち上げたままの小次郎のソコから指を抜いて。
間髪いれずに僕のいきり立ったものを突き立てる。

「……………!!!!!」

苦しげに酸素を求める小次郎の唇。
いい、ザマだよ。
上から突き刺すように何度も攻めたてた。
持ち上げた膝を肩のほうまで丸めて折り曲げ、もっと奥の方へ、体重をかけて突き刺す。

「ふぅ、ふ、あっ、っく、あ…ぐぅ」
「は、はぁ…っ、いいぜ、凄くよく締まる…」

目を強く閉じて顔をそらしたその表情。
唇を噛んでも、無駄。
ほら、だってこうして突いたら、喘いじゃうから唇が開く。
縛った長い髪が、ほどけかけて床に乱れてひろがっている。

「な、んで、こんなぁ…あ、ぅっ」
「小次郎が悪いんだ…僕を馬鹿にするからだ」

もう、なにも言えないくらいグチャグチャにしてやる。
何度も突き刺して、声も出なくなるくらい。
床を掻いた指が、むなしく震えて。
僕の掴んだ足首には、僕の爪を立てて、引っ掻く。
傷物になればイイ。

「イキな、よ…っ小次郎…僕も、中に出してやる」
「や、やっ」
「限界だろう?こんなに震えて…あ、僕も、もうイク…!」

小次郎の涙目に思わず笑みがこぼれた。
ああ、苦しそうだ。
気持良くて、おかしくなりそうなんだろ?
ココも掴んで扱いてあげるから、ほら、イっちゃうトコロ見せてご覧よ。

「う、ああああっ!!!や、や、だ、駄目、だっ…!!」

最後の抵抗。
僕を押しのけようとした手が、ビクンと震えた。
その手が自分の口を押さえるのが見えた。

「ん、んんんんんーっ!!!」

両手で口を押さえて、ソコから漏れた悲鳴。
僕の入れたままのモノが、痙攣の波に強く締め上げられる。
僕の指の中で脈打ったものが、小次郎自身の身体と顔に吐き出されるのを間近で見た。

ソレを見て、僕も小次郎の中に、全部、吐き出した。








小次郎は背を向けたまま、動かない。
その脇に僕は座って。

「酔った勢いってやつなんだ」
「……ね」
「え?」
「死ね」
「オイオイ、負け惜しみかい?」
「うるさい。死ね二階堂ー!」

ガバッと置きあがって僕に掴みかかろうとした小次郎が。
へちゃ。

「あ、あれ?」

フラリとよろめいて、僕に倒れ掛かってくるのを、抱きとめる。

「どうしたんだい?小次郎。もう一度?」
「ち、違う!離せ!」
「離してもいいけど?ほぅら」
「あ…うわ」

よろり。

「あー、駄目じゃないか。」
「く、くそ…」

バランスを崩して、うつ伏せにへたり込んだ小次郎の背中に乗る。

「ど、どけ!乗るなッ」
「え?なに?もっと苛めて欲しい?」
「違うーーー!…あっ、ちょ、やめろぉ」

酔いは覚めたけれども。

「まだ、夜は長いみたいだね、小次郎。」


絶望の顔見るのも、楽しくて堪らないんだよ。今日は観念しな。

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