冬の一人ぼっち

見えないものを見ようと
優しくなれない
優しくなろうとしないでいる

公園のベンチは冷たい
錆びた滑り台を滑るのは
愛らしい架空の子供
枯れ葉と一緒に飛び散ってしまう

泣けないでいる

凍えた手
確かな物と
宙を掴む
遠くを掴む
掴めない事も知っている

決まって吸い込む空気は冷たい
肺の奥まで
もっともっと奥まで冷たい

風の隙間から
日差しが暖かくなる
背筋が伸びる
きっと凛と歩く事も出来る

立ち上がる
遠くを見る

子供の頃のように素直に
溢れて
零れて
止めどなく愛しい瞬間に

呼吸を
鼓動を止めて
空気の流れと渦を巻かせ
あなたの側で
決して掴むことの出来ない位置で
そんな風に愛せたら幸せなのだと思う


澄んだ空

溶けないでいる

溶けないことを願っている



状況を冷静に言葉にしたら、詩になったって言う感じですね。
状況というのは、既にそこに発生した時点で、その人の気持ちを表せる材料にもなりうる。
逆を返すことも出来る。その状況に隠されるものが気持ちだとも言える。
どちらの状況も発生するから両方とも言えるのかもしれない。
と言うことは、見りゃ見えるってことかもしれない。
うむ。状況フカシギなり。