羊の枕

 蛍光灯の光は
皮膚を少しずつ焼いている
じりじりじりじりと
この感覚は恋にとてもよく似ていて
きっと灰になってしまう

臆病な私は部屋を真っ暗にする
強烈な嫌悪感の角が丸くなる
暗く冷えた沈黙だけが笑ってる

眠い
奥の方の声が要求する
心が反抗的な気分で
眠い
眠らない
眠い
眠らない
眠らない

羊が駆けめぐる大地で
幾つかの星が瞬いている
私は羊に嫌われていて
近づこうとすると逃げてしまう

数えられないじゃない

呟く
手足の凍える冷たさも忘れている
きっとこの瞬間は一人じゃないんだ

何も感じない
何も考えない
真っ暗でいい
真っ暗がいい

羊が一匹
瞼が重くなる

ああ 安心している
生きる温度はあったかい

撫でて
枕にした
涙が一粒
柔らかい羊を濡らしている



おやすみなさい



糸さんから頂きました。
「撫でて」と言う言葉が好きな私にヒット〜です!(^^
一人って言うのは一体なんなのか、それも難しいですね。