やっちまったもん勝ち?冗談じゃねェ、やられちまったもん勝ちさ。

[common!]

やられた!
ホンッキで、そう思った。
実は、俺はラブホテルなんてものに来るのは初めてで。
そもそも、セックスなんて、その辺でやっちまえばいいことだし、
バカミテェにエロするための場所に来てセックスってのはどうも、抵抗があったわけだ。
「どうしたレッド?怖いのかー?はは〜ん、やっぱお前ガキだな?」
やけにホテル慣れした感じのヒィッツは、落ち着きの無い俺を見てそういって勝ち誇ったように笑う。
ははぁ、成る程。
俺の困った顔でも見てやろうって魂胆か、ンのやろう。
…でも、本気でおちつかねぇ。

『此処で行為にお及びください』

と言わんばかりの巨大なベッド、

『コチラでもお楽しみいただけます』

と言わんばかりの風呂場のマット!!


お、俺の性的美意識(あったんだよ俺にも!)が許さねぇ!!
ぎ、と歯を噛み締めて、こんな所にしたり顔で連れて来た莫迦野郎の顔を見る。
ああっ!その表情チョーーーームカツクンデスガッ!
「どうする?レッド?尻尾巻いて逃げるか?」
余裕ぶちかまして。
ソファの上で肘なんかテーブルに付いちゃって、
流し目&上目で俺を見てる。
その目はよ、確かにゾクゾクするよ。
でもその口元の笑みが、俺をあざけってるだろう。


解釈を変えてやる。

お前は、本気で俺にどうにかされたいから、こんな場所に連れて来た。

そうだ、その考えはなかなかいい。

コイツは、ほかを気にせず喘ぎたいからこんな所に連れて来た。

…ん。
いいな、それ。
成る程。
その線で行くか。
それなら、付き合ってやっても…むしろ、食指が動くってもんだ。
「よぅしわかった。やってやる」
「へぇ、出来るのか?顔が引きつっているぞ?」
ンの。付け上がりやがって!

俺は確かに、緊張で戸惑っているかもしれない。
それならそれで、イロイロな手があるんだよ。

例えば、だ。

「んじゃ、ヒィッツ、そこで下だけ脱いで足開いてマス掻けよ」
「えっ」

引きつった顔は、俺からヒィッツに伝染して。
す、と、その顔から笑みが消えてった。
かわりに、口を結んだ妙な緊張の表情を見せてる。
このレッド、お前に飲まれるようなタマじゃねぇ。

「わかんねーの?自分の○○○を手で持って扱くんだよ」
「え、う、な、なん…え?」
「やれよ。いいじゃねぇか、俺しか見てねぇよ。俺しか。その代わり、お前の顔も手の動きも射精するトコもゼーンブ見ててやるからな」

ドキン。
鼓動、早くなる。
自分の言葉で、自分が興奮して、どうすんだよ、俺。
口を開けっぱなしのヒィッツが、俺を見て。
自分を見て。
ソファに身体をぎしぎしと持たれかけさせて。
俺を睨み付けて。
「…やりゃいいんだろ」

…うそ

ベルトの引き抜かれる音。
柔らかい衣擦れが、足元にするりと落ちて。
素足が、ためらいがちに

開く。

…うそ?

躊躇したのか、チラ、と俺の目線を確認して、
動きを止めた自分の膝に自分の手をかけて。
左足の踵が。
ソファの上を踏んだ。

恥ずかしいのか、手で隠してるつもりらしいけど。
余計にやらしーよソレ。
少し日に焼けた手の甲と、開いた右内腿の、白さ、対照的にやけに際立つ。

「…ん、っ」

目を閉じて。
そらした首の筋肉がグ、と浮き出した。
ヒィッツの手の中。
欲望の塊。

…やべぇ

「あ、ああ…」

激しく無い動き、羞恥に震える足指。

…やべぇ

「見、見える、か?、…、っそぉ…あ」
「…見えるよ、お前の顔もアソコ握ってる指も動きも全部」
「っは、…や…やっぱ、見、ないで」

閉じようとする膝、それでも動きを止めない指先。

…やべぇ!

フットビソウ、俺。

「…早く、来い、よっ」
言われなくても、行くよ。
そこまでされて、ほっとけるか。
恥ずかしいんだろ。
えらそうに笑ってたのは、恥ずかしいの隠すためだろ。

「ホントは、俺にめちゃくちゃにされたかった?」
「…し、て」
「やっと本当のことが言えたな?じゃぁ、お望みどおり、
---メチャクチャにシテヤルヨ。」

ソファから引き摺り下ろして。
かすかな悲鳴、あ、いつもの悲鳴。いいねぇ、やっぱお前はそういうのが似合うよ。
もっと啼けよ。
仰向けにした身体、膝を掴んで、その肩までくっつけて。

「これで自分で見えんだろ?入れてやるから見てろ?」
「っ、や、」
「目ェ開けろフィッツカラルド」

見ろよ。
お前のこんなに固くなってんじゃん。
なぞってやるよ。
根元から、先端まで、爪で。
「ふぅ、ああっ!」
ヒクン、と締りを見せた其処に、唾液を含ませた指をゆっくりと差し込む。
「あ、あ、っ、」
「ほら、見ろよ、入っちゃうぜ?ほらほら」
「い、言うな、言わなくていいっ!」
「だって入ってんだもんよ。わかんねぇなら、こうしたらわかるか」
逃げようとする足押さえて。
身体丸め込ませて。
俺の腕、指、お前の中を摩擦するために動いてんだよ。
気持ちよさそうだな、お前。

俺も、

気持ちよくしろよ。

逆えび固め、ほら、エロイよな、コレ。
このまま、上から俺ので突き刺してやるからさァ。

「今日くらい、思い切り声出せよ」
「バカ、ッ、余計なこと言ってないで…」

なみだ目。
俺を見て。
「入れろよぅ」


…たまんね。


まるで、俺たちは獣みたいに。
人間捨てて、絡み合うアナコンダ?ちがうな、もう、多分原始動物。
お互いの針をお互いに突き刺して、交尾を重ねる、
穴の中に吐き出す、摩擦を繰り返す、探り合う、もっと気持ちいいトコ。

時間の感覚さえも、ぶっ飛んだ。











ちうー。
サービス品のジュースなんか、飲んで見たりして。
テーブルに突っ伏したヒィッツが顔を上げた。
「私にも少しくれ」
「ほれ」
やーだね、と、いつもなら突っぱねるトコなのになぁ。
…なんでだ?
俺は、ストローの先まで、その口元に向けてやって。
ちうー。
う、
コイツ、可愛いトコ…



ラブホ、って、ヤッパやべぇよ。


……やけに愛しくなんじゃんかよ…
やられたー…

ウチのレッヒツは何処かラブラブになっちゃってますなぁ…
アルセルでは書けない子供っぽさが書けるのでお気に入りですー♪
肉体関係オーイエー。クレイジーケンバンド横山ケンさん大好きだー。(関係なし